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マーケットの値動きに影響されないファンド
皆さんこんにちは。
ここのところ日本株がグズグズしていますね、中には大幅な損失を被った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

投資する対象マーケットが何であれ、市場の変動に引っ張られて上下する金融商品を持っている限り、市場の変動とご自分の資産の値動きを切り離すことはなかなか難しいものです。
ただ、マーケットの値動きから開放される投資方法もいくつかあります。
かつてロバート・キヨサキさんは、『金持ち父さん、貧乏父さん』の中で「株に投資することは、株を購入し、ひたすら相場が下がらないように祈り続けるようなものだ」という意味合いのことを書かれていますが、確かにそういう一面もあると思います。

さらに同書のなかで、キヨサキさんは「それに対し、不動産投資は確実に賃貸料収入が得られるので安心だ」という意味合いのことも書かれておいでです。
私は確かに不動産は、対象マーケットの値動きは受けにくい金融商品だとは思いますが、やはり不動産市況が急激に上下動した場合、このような投資法も決して万全とはいえないような気が致します。
今回は、皆さんの資産をこのマーケットの上下動から切り離し、できるだけ安定的に増やす方法について、いくつか御紹介して参りたいと思います。

まずその方法の一つ目は、しっかりとしたコンセプトに基づくアセット・アロケーションを構築する事だと思います(恐らく、これが王道であることに異を唱える人は、ほとんどいらっしゃらないのでは)。
具体的に申し上げれば、お互いの値動きに影響される事なく動く金融商品に分散投資すること、例を挙げれば、日本株に対しては米国債、米国株に対しては世界各国の不動産といった具合にです。
このように片方が下がれば、片方は上がる(あるいは片方と関係なく値動きする)、このような金融商品を集めてゆく事により、資産全体として値動きを小さくすることは可能です。
もっとも長い目で見て、投資するすべての金融商品が右肩上がりで価格が上昇してゆく商品でなくては、投資そのものの意味がありませんが・・・

このようなアセット・アロケーションを作るためには、一定額以上の資産をもっていなくてはなりませんが、例えそのような多くの資産がなくても、単一の金融商品への投資だけで対象マーケットの値動きの影響を受けなくて済む運用手法が他にも有ります。

唐突ですが
+30.9%
+22.8%
+48.2%
+2.0%
+18.8%
+18.8%
+11.1%
+21.4%
+1.3%
+19.8%

皆さんはこの数字が何を表すものかお解りでしょうか?
他にも
+52.2%
+15.1%
+10.4%
+7.1%
+18.3%
+27.8%
+22.6%
+9.7%

というのもあります。
これらの数字はあるオフショアのヘッジファンドの運用開始以来、昨年までの年間運用成績を並べたものです。(仮にここで上のファンドをA、下のファンドをBと呼ぶことにします)

もうお気づきのように、両ファンドとも設定以来一度も年間ベースでマイナスは記録していません。

一方でこのような数字もあります。
-2.6%
-21.2%
-9.3%
+36.8%
-27.2%
-23.5%
-18.6%
+24.5%
+7.6%
+40.2%

これは1996年以来昨年に至るまでの、日経225平均株価の年間変動率の推移です。
一見しただけで、
・ファンドAやファンドBは過去一回も年間を通してマイナスの年がない。
・ファンドAやファンドBは、日経225に比べ上下動が小さい

とこのようなことが言えそうです、実際この間の年間平均リターンやリスクを計算してみますと、それぞれ
・ファンドA  リスク 13.7% リターン 19.5%(いずれも年間)
・ファンドB  リスク 14.6% リターン 16.3%(同じく)
・日経平均  リスク 25.4% リターン 0.7%(同じく)

となっています。

さらにこれだけではありません。
ファンドAやファンドBは商品先物市場と金融先物市場を使ったトレンド・フォロー型の運用スタイルを採ります。
(トレンド・フォローについて、もう少し詳しく知りたい方はここへアクセスください)

このトレンド・フォローについては過去何度か御説明してまいりましたが、現在のトレンドが今後も継続するであろうという仮定の下に、売りと買いを組み合わせて行う運用手法です。
上向きのトレンド(即ち価格上昇)が出ていても、下向きのトレンドが出ていてもそれは関係ありません、トレンドさえ出ていればそれが上向きでも下向きでもリターンはプラスになります。

言い換えれば、仮にこのようなファンドを持っていれば、投資対象が上がろうが下がろうが関係ありません、トレンドさえしっかりと出てくれれば利益を享受できるわけです。
さらにしつこく言えば、このような商品に投資している限り、例えば株が下がった、債券が上がった、原油が上がった・・・このようなマーケットの日々の動きから開放されることにもなります。
ファンドさえしっかりと選別すれば(上記数値はあくまで過去の実績であり、決して将来を約束するものではありませんが)、それほど値下がりの心配をしなくてもよさそうです。
日本株や新興国株も長期ではいいと思いますが、心配性の方はむしろこのようなファンドのほうがいいのかもしれません。

ただ、一定額以上の資産をお持ちの方は、このようなファンドを組み込んだアセット・アロケーションを構築する事が、やはり王道だとは思いますが・・・

では 今回はこのへんで。

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