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資源価格と日本株
皆さん、こんにちは。

人間の思考というものは、どうも直線的に進みやすいようですね、
あたかも昨日までのことが、これからも永遠に続くことを前提と
しているかのように・・・

例えば一週間は日曜日から始まり、土曜日で終わる。サラリーマンは
月曜日に眠い目をこすりながら出社し、そして金曜日の夜は会社の
近くの飲み屋で一杯やって週を締めくくる・・

このように人間は一定のリズムに乗って生活しており、そのことが
私達の思考を、長い時間かけて徐々に直線的なものにしているのかも
しれませんね。

ところがよくよく目を凝らしてみれば、世の中には今までの
流れが革(あらた)まり、新しい流れが生まれる転換点のような
ものがあることに気づきます。

例えば政治の世界では2005年、当時の小泉首相の郵政解散。

あれなどは単に衆議院の解散に止まらず、国民が官業の肥大化に対し、
初めてノーと意思表示をした大きな出来事だったでしょうし、国民の
成熟度(民度)が政治の質を決めると考えるならば、一旦起こった
トレンドは恐らくもう後戻りすることはないでしょう。

経済の世界では、2003年の当時の竹中大臣が行った、りそな銀行に対する
公的資金の注入と同行の一時国有化。

今から考えれば、日本経済の底はあそこでした。

長らく私達を苦しめてきた銀行の不良債権問題も、あの決断で
解決の糸口を掴み、それから不良債権問題と日本の経済は歩調を
あわせて快方に向かいました。

昨日の次に今日が来る・・・私達の生活というのは、ある意味連続的で
退屈な日々の積み重ねでもありますが、こうやって過去を振り返りますと、
どこかで今まで長く続いた連続性(トレンド)が途切れ、また新しいトレンド
が生まれていることに気づきます。

トレンドの転換というものは、ある意味チャンスでもあります。

例えば上記の2003年、ここを転換点として日本の株価は上昇トレンド
を描きます、あるいは都市部の地価、同じく2003年から2004年が底で
した。

コモディティ相場でも、2002年に大きなトレンドの転換点がありましたね。

コモディティに関して言えば、温暖化防止が世界的な重要課題に
なりつつあり、これからは省エネ・代替エネルギー技術の開発が進みますので、
原油をはじめとしたエネルギー関連は、すでに新しいトレンド(即ち、ボックス圏)
に入りつつある可能性が高いと思います。

一方で穀物や金属類の場合、容易にその代替物は見当たらず、今のトレンド
はそう簡単に崩れそうもありません。

仮に穀物や金属類の上昇トレンドが今後も続くという前提で、
今の日本の株式市場を見ますと、いくつか違和感を感じることが
あります。

例えば、エレクトロニスク関連銘柄のPERが軒並み20倍を超えて
いる一方で、商社や鉱山関連株の評価は低く、PERで10倍をやっと
超えた程度です。

・ソニー(PER 55倍)
・シャープ(同 25倍)
・松下(同 29倍)

一方で

・住友金属鉱山(同 13倍)
・丸紅(同 10倍)
・三井物産(同 13倍)

(いずれも2007年3月期の「日経会社情報」予想一株当たり利益を
ベースに算出、小数点以下四捨五入)

あるいは、これから貴金属の絶対量が不足すると、否応なし廃家電など
からの金属リサイクルを本格的に進めざるを得なくなりますが、関連銘柄
の評価も低く放置されていますね。

・松田産業(同 14倍)
・DOWAホールディングス(同 15倍)

市場は現在の穀物や金属類の価格高騰は一時的なもので、新しいトレンド
が生まれているわけではないと判断しているのでしょうか・・・それとも
冒頭申し上げた、直線的な思考による、慣性の法則が働いているだけなの
でしょうか。

いずれにしても、『変化』やそこから生まれる市場の歪みは
投資のチャンスでもあります。



では 今回はこのへんで。





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