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コモディティへの投資あれこれ-その2
皆さん、こんにちは。

前回はコモディティ系ファンドとして、鉱山株ファンドなどのお話しを
致しました。

今回はもっとストレートにコモディティ相場に連動するファンドの
お話しや、コモディティ相場を投資対象にしたヘッジファンドの
お話しを致します。

まず、コモディティ・インデックス・ファンドについて。

コモディティ・インデックス・ファンドは文字通り、国際商品相場に
連動するように設計されたファンドのことです、従来は全てのコモディティ
を対象に、幅広くインデックス化し連動させるファンドが主流でしたが、
最近では、特定のカテゴリーのみのサブインデックスに連動するタイプの
ファンドが増えてきたようです。

例えば昨年末に新規設定されたファンドに

・コモディティ・セレクション(食糧)


というファンドがあります。

このファンドは、ダウジョーンスAIG指数の農産物サブインデックスに
連動するように設計されたファンドで、連動率は現在下記のような
ウエイトになっています。

・小麦 15.96%
・トウモロコシ 19.22%
・大豆 25.88%
・砂糖 10.81%
・棉 8.41%
・コーヒー 10.18%
・大豆油 9.54%


なお、本ファンドは2007年12月27日に設定されたばかりのファンドですが、
設定来のパフォーマンスは+4.8%となっております。

このような市販のインデックス・ファンドは、コストが高くてイヤだと
お考えの方にはコモディティ・インデックスを対象にしたETFがいいかも
しれません。

例えば

Power Shares DB Agriculture Fund

本ファンドは、米国Power Sharesが運用する農産物インデックスETF、
組み入れ比率は

・トウモロコシ 25.0%
・小麦 25.0%
・大豆 25.0%
・砂糖 25.0%


ちなみにマネジメントフィーは0.75%とローコストですが、残念ながら
現在日本国内で購入することはできません。

貴金属をお好みの方なら

i Share Silver Trust


というETFもあります、i Shares はバークレイが運用するETFのブランド、
このファンドは100%銀価格連動型です、私と同じく銀の将来に明るい
見通しを持っている方にとっては、銀鉱株ファンド同様、検討の
余地はあるでしょう。

貴金属系ETFとして他に

Power Shares Precious Metals Fund

というETFもあります、こちらは

・金 80%
・銀 20%


連動型、ちなみにマネジメントフィーは年率0.75%、
銀単独よりややリスクは分散されるでしょう。

さらにプラチナを組み入れたいご希望をお持ちでしたら

Castlestone Ariquot Precious Metals

というファンドもあります、こちらはETFではありませんが、

・金 50%
・プラチナ 30%
・銀 20%


に連動するように設計されているオフショア・ファンドです。

以上御紹介して参りましたのは、いずれもコモディティ系の
インデックス・ファンド、コモディティの相場上昇にストレート
に連動いたします。

これらインデックス型ファンドに対し、ヘッジファンドにもコモディティ
を投資対象にしたファンドが多数あります。

例えばトレンド・フォロー型の運用戦略をとるファンド群。

名の知れたところでは、Man社のAHLプログラムやWintonなど、
これらは主にコモディティ先物市場で運用するファンドですが、
市場の流れに乗っかって行う順バリ戦略を採ります。

相場上昇期には先物の買い建て、下落時には売り建てで対応しますので、
基本的には相場が上がっても下がっても関係なく収益を上げるチャンス
はあります、ただし、相場の転換点では損失を出しますので、その点を
理解しておく必要があるでしょう。

他にもコモディティを対象にした裁定取引を行うファンド群もあります、
裁定取引には同じコモディティの『市場間』で起こる裁定機会を利用する
場合もありますし、連動性がみられる2種の『コモディティ間』の裁定機会
を利用したファンドもあります、これらファンドは上記トレンド・フォロー
型ファンドに比べ、さらにコモディティ相場との価格連動性が
薄いので、投資する場合はその点を十分に理解しておく必要があります。

以上2回にわたって、コモディティへの投資方法をいろいろと
見て参りましたが、ご覧頂いたように投資対象、投資手法、コスト構造
どれをとっても千差万別です、時々「コモディティに投資している投信
を持っているが、相場が上昇している割には儲からない」という相談を
受けることがありますが、お手持ちのファンド、それぞれの商品性をよく
理解し、御自分の購入目的にあっているかどうか、もう一度よく見直して
頂ければと思います。

最近の商品相場高騰により、にわかに注目度を増してきたコモディティ投資、
米国ではカリフォルニア州をはじめ、イリノイやオクラホマなどの職員
年金基金が、コモディティ系ファンドの組み入れ比率を高めると報道されて
いますが、これらの動きは将来のインフレやドル安を見越したものでしょう。

私たち日本人にとってみても、円安やインフレは米国の年金と共通の
テーマ、私達が日々消費するコモディティの価格が上がるのであれば、
私達自身のポートフォリオにコモディティを組み入れることにより、
インフレリスクをある程度相殺できるに違いありません、コモディティ
への投資は守りの意味合いもあります。


では、今回はこのへんで。
(2008年3月4日)




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