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交錯するバイアスのなかで
皆さん、こんにちは。

その昔、私はよくマネー雑誌を読んでいました・・・
まだこの仕事を始める前のおはなしです。

世にある多くの情報の中には、それが活字化されたものであれ、話し言葉の
形をとっているものであれ、発信者による意図的なバイアス(誘導)
がかかっているものがあり、私達はその点を常に意識しておく必要が
あると思います。

例えば先ほどのマネー雑誌。

マネー雑誌は、読者からの入る雑誌の購入代金と、掲載される
広告料によって成り立っています。

出版社が、その両方を最大化するための努力を惜しむことはありえず、
そのことは独特のバイアスとなって、読者をある方向に誘導してゆく
場合があります。

あるいはある種の経済本。

著者の目的はいったい何でしょうか・・・

本をたくさん売って、印税を稼ぐことでしょうか。
それとも特定の商品を売ることでしょうか。

セミナーの類(たぐい)も要注意です。

人は群れているとき、バイアスに誘導されやすいもの、
特段の注意が必要です。

バイアスのかかった情報など、何の意味も持たず、むしろそのような
情報が多ければ多いほど、人は正しい行動がとりにくくなるようです。

時々「いろんな本を読んだり、セミナーに出たりしているけど
ますます解らなくなってきた」という方がいらっしゃいますが、
それはこのように、さまざまなバイアスの交錯に惑わされている
からではないでしょうか。

一方でナマの数字は決して人を欺きません。

日々の株式の動き、債券と金利の動き、為替や原油、金などの
値動き、GDP統計、雇用統計、消費者物価指数、企業の決算情報、
CRB指数、バルチック海運指数・・・

これらナマの数字には一切のバイアスはかかっていませんし、毎日
(あるいは定期的に)みていますと、そのうち彼らは雄弁に語りかけて
くれるようになるはずです。

世の中にあふれかえる、バイアスの群れから開放される道はただ一つ、
ナマの数字から直接情報を受け取り、そして自分自身で結論を導き出せる
ようになることではないでしょうか。

孤独で地道、時間のかかる作業ですが、私にはこれ以外に
方法があるとは思えません。


では、今回はこのへんで。
(2008年5月13日)




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