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壮大な実験場を前に
みなさんこんにちは。

ショックから一年も経ちますと、
人間の心理も随分と変わるものですね・・・

今年の初めあたりには言いようのない恐怖に支配されていた市場ですが、
いまではどうでしょうか。

市場に点(とも)った最初の欲望は、まず隣の心理を欲望色に
塗り替える・・・欲望は欲望を生み、そして驚くほどの速度で
市場全体の風景を変えてゆく。

もしかすると市場を支配するあらゆるサイクルの原点は、そべて
この恐怖と欲望の連鎖にあるのかもしれませんね・・・景気の
変動サイクル、生産と在庫のサイクル、住宅価格の変動サイクル、
株価の上下動・・・などなど。

人間の心理が人から人に伝播してゆくとすれば、その心理の伝播は
いったいどこで断たれるのでしょうか・・

私や皆さんは、この一年間で非常に鮮明な市場心理の
変化を目撃したことになりますが、これから起きるであろう
さまざまな市場の動きもまた、私たちにとって貴重な経験の
場を提供してくれることになるはずです。

私は人間の心理の伝播を止め得るものは2つしかないと
思っています。

まず一つは何らかの(相当に)大きな外部からの圧力、
それは例えば天変地異や戦争など、人間の心理に断層を作るほどの
大きな圧力です。

そしてもう一つは、欲望なり恐怖なりが広くあまねく世界を
覆い尽くしたとき・・・

仮に今回の景気回復が、中途で挫折し再度下降はじめるような
ことがあれば、私は自分自身のこの宗旨を改める必要がある
わけですが、今のところその必要を感じておりません。

かなりの確率で新興国の経済回復は続くと思いますし、
それに引っ張られる形でコモディティの価格も上昇する、
市場のあふれた投機マネーは欲望のまま行動し、その行き着く先は
また新たなバブル・・・このような悲しい予想すら立ててしまう
わけです。

ただよくよく考えてみれば、17世紀のチューリップ・バブル以来、
人間はずっとこうやって経済と社会を進歩させ続けてきたわけ
ですし、バブルの元凶である欲望や恐怖が無ければ、これほど
人間は進歩しなかったに違いありません。

逆にいえば人間がバブルを起こさなくなった時・・・

その時は人類が成長を止めるときなのかもしれませんね。


では、今回はこのへんで。
(2009年9月15日)




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