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相続した含み損を有効に活用する方法

みなさんこんにちは。

今回は少し相続の話をさせて頂きます。

皆さんの中に含み損を抱えた株や投信を、
相続された方はおいででないでしょうか。

例えば生前ご両親が株の売買がお好きで、
リーマン・ショックの前に、高値でお買いに
なった日本株などをお持ちだったケースです。

リーマン・ショックを挟み、日経平均株価は半値近く
まで下がりましたので、塩漬けにされたままお亡くなりに
なった方もいらっしゃったのではないでしょうか。

皆さんがそのような含み損を抱えた株を相続された場合、
有効に活用できる可能性があります。

例えば以下のようなケースです。

□お母さまが1000万円で購入された株Aが、相続発生の時点
 (すなわちお亡くなりになった時点)で500万円に値下がり
 していた。

□その後この株Aは値上がりし、現在の株価は600万円になった。

□一方で相続人(相続を受けれらた方、ここではBさんと
 します)は、上記A株とは別にC株もを保有しており、
 こちらは現在800万円の含み益がある。

上記の例でBさんが現在保有中の株Cを売却した場合、
含み益である800万円が実現益となりますので、160万円(注)
が課税されることになります。

注)800万円×20%=160万円
  ただし税率を20%としました(以下同様)

では仮に場合Bさんが、お母さまから相続した株Aを同時に売却
すればどうでしょうか。

ここで問題になるのは、Bさんがお母さまから相続した
株Aの取得価格の計算方法です。

仮にBさんが、相続した時点の株価でA株を買ったとみなされるなら、
A株の取得価格は500万円です、これに対してA株の現在の価格は
600万円なので、Bさんはさらに20万円の税金を支払わなければ
なりません。

(600万円-500万円)×20%=20万円

従ってこのケースでBさんが支払う税金は180万円(注)
というわけです。

注)160万円+20万円=180万円

ではお母さまの購入額を、そのままA株の取得価格として、
引き継ぐことができた場合はどうでしょう。

上記のようにお母さまが株Aを購入された時点の株価は
1000万円でした、従ってBさんがこの株を現在の株価600万円で
売れば、400万円の損が出ることになります。

つまりBさんは相続したA株で400万円損を出し、同時に
C株で800万円もうけることになるわけです。

この場合400万円の損失と800万円の儲けは通算され、
Bさんが支払う税金は80万円(注)ですむことになります。

注)(800万円-400万円)×20%=80万円

さきほどの180万円と比べ100万円も節税できることが
解ります。

では実際にはA株の取得価格はどちらが適用され
るのでしょうか?

答えは後者、すなわちお母さまの購入額(注)です。

注)購入額が不明の場合は、売却額の5%が適用されるので
  注意が必要です。

従って含み損のある株や投信を相続した場合、
含み益のある株や投信の売りにぶつけることにより、
節税可能というわけです。

例えばご兄弟の間などで、誰がどの資産を承継する
かについて考える場合、上記のような知識は役立つかも
しれません。

ご両親にとって不本意な塩漬株であっても、
お子様がその含み損を有効活用できれば、きっと
よい御供養になるのではないでしょうか・・・

 

では今回はこのへんで。

(2015年11月18日)




 




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