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商品相場からみる世界経済

みなさんこんにちは。

商品相場をずっと見ていると、
世界経済のゆくえがなんとなくわかるときがあります。

今ならさしずめ非鉄金属相場です。

銅やアルミ、亜鉛などの非鉄金属は、
住宅や鉄道、自動車から電線まで私たちの生活に
幅広く使われていますので、世界の経済活動が活発に
動き始めると需要が高まります。

なかでも銅はこの傾向が顕著ですです。

銅は送電線、屋内配線、鉄道から自動車まで幅広く、
しかも大量に使われますので、非鉄金属の中でも
より世界経済との連動性が高いとされています。

また商品相場は先を読みますので、
銅価格の値動は世界経済の動向を予見するとも
言われます。

銅が『ドクター・コッパー』と呼ばれるのは、
このような理由からです。

ただし銅だけを見ておくのはやや危うい部分があります、
なぜなら供給サイドの問題があるからです。

例えば実際に今年に入ってチリの銅鉱山で大規模なストライキ
があり、年初から銅の供給は減っています。

これが現在の銅相場の上昇に寄与しているのは
間違いないでしょう。

このように世界経済の動向とは無関係に、
供給側の理由で相場が揺れることもありまますので、
その点も考慮に入れておく必要があります。

一時的な供給変動の影響を薄めるためには、
銅だけでなくアルミや亜鉛など、非鉄金属全体を
見ておくという手法が有効です。

僕がよく見ているのは

Power Shares DB Basemetals

というニューヨーク市場に上場するETFで、
銅、アルミ、亜鉛を1/3ずつ組み入れています。
証券コード(ティッカー)はDBBですので、
興味ある方はご覧ください。

ではこのDBB、
最近の値動きはどうなのでしょう。

直近のピークは2011年につけた25ドルで、
そこからダラダラと下げ続け、2015年央には一株11ドル台
まで下げました。

ただしそこからは上昇に転じ、直近は一株16ドル台半ばまで
値を戻しています。

私たちはこの値動きから何を知ることが
できるのでしょう。

まず2011年から2015年央にかけての下げですが、
実はこの間日米欧の中央銀行は紙幣を刷り続けていました。

余分に供給されたマネーは商品相場に流れ込みやすく、
従ってこの間は逆に商品相場は上がっていても不思議では
ありませんでした。

にも関わらずこの間下げ続けたのは、

・世界経済の停滞観測→商品相場からおカネの流出

このような下げ圧力が強くかかったのでは
ないかと僕は思います。

振り返ればこの間よく長期停滞論(注)を耳にしましたし、
中国経済の成長がみるみる低下したのも、
この時期と重なります。

注)長期停滞論:世界経済の成長性が長期にわたり低下する
           という理論で、僕も共感する部分があります。

逆に2015年央から現在に至る上昇は

・世界経済の回復→非鉄金属の需要拡大観測

という全く逆の流れによるものではないでしょうか。

もしこの理解が正しければどうでしょう。

非鉄金属相場は一昨年からすでに世界経済の先行きを
楽観しはじめ、いまでもその流れは止まっていない
といってよいでしょう。

相場は一年ほど先を見越して動くといわれますので、
非鉄金属相場は少なくとも今年一杯は世界経済が、
順調に拡大するとみていることになります。

 

では今回はこのへんで。

(2017年2月15日)




 




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