ホーム > 実物資産投資のお話 > 銀貨のお話し
銀貨のお話し

いまでこそこのように偉そうにコインのうんちくを語ったりしていますが、僕は過去に致命的な失敗をしています。

しかも短期間ではなく、かなり長期間にわたってです。

何度かメルマガや本などで書いてきたのですが、僕がコインを集め始めたのは小学生の低学年のころでした、当時は御こずかいで、日本の古銭をたまに買う程度でした。今にして思えばアレがよくなかったのかもしれません、どうやら趣味の対象としてコインを見る習慣が身についてしまったようで、その後“大人買い”をするようになっても、一枚数千円や数万円といった、いわば“ジャンクコイン”をたくさん買うようになってしまいました。

サラリ−マンをやめ今の仕事を始めてからは、さすがに買い方を改めましたが、なにぶん過去に買ってきたジャンクコインがジャラジャラあり、場所をとってしかたありません。

このようなジャンクコインの処分は本当に困ります、なまじ思い入れがあるので捨てられません。

オークションハウスにも迷惑がかかると思い、オークションへの出品も二の足を踏んでしまいます。なじみのコイン商に買い取ってもらってもいいのですが、なにしろ量が多くってコイン商の人にもなんだか恥ずかしい・・・かといっておいておけば値が上がるというほどのものでもなく、結局は年に数回会う甥っ子にあげるしかありません。

自分自身にもっと投資に関する知識や戦略があればよかったのですが、まあ後の祭りです。いずれなじみのコイン商に持ち込むしかないのですが・・・皆さんは僕と同じ失敗をしないようにしてください。

あとこれは失敗ではないのですが、皆さんが最初によく陥りがちな勘違いについてお話しします。初めてコインに投資される方にご希望をうかがいますと、まずほとんどのかたが金貨をご希望になります。

おそらく金貨は高価、銀貨は安価というイメージを皆さんお持ちなのではないでしょうか、そういえば僕自身もそうでした。でも決してそのようなことはありません。銀貨であっても残存枚数が少なく希少性が高いコインもたくさんありますし、たとえ残存枚数がそこそこあっても、状態が極めて良いコインなら投資対象としては有望です。

皆さんも銀貨にもっと注目してみてはいかがでしょうか。

そのつながりで今回は神聖ローマ帝国のターレルについてお話しいたしましょう。ターレルは神聖ローマで使われていた銀貨の単位で、3ターレルや5ターレルといった超大型のものから、1/2ターレルの小型コインまであります。ターレルの基準となるのは1ターレルですが、この1ターレルも重量感があって迫力があるコインですよ。下は神聖ローマ帝国のアウグスブルグという都市で、1643年に作られた1ターレル銀貨の写真です。重量は30グラムほど、直径は4センチほどある大型の銀貨です。表面(左)は当時の皇帝であるフェルディナンド3世、裏面(右)はアウグスブルグの都市景観です。フェルディナンドの右肩に人面(鬼の顔のようにもみえますが)が、こっそりと描かれているのが興味をそそります、以前から由来が気になっていたのですが、一度調べてみたいと思います。裏面の都市の景観も素晴らしいですね、神聖ローマのコインには、このように都市の景観を描いたものがあり、“都市景観コイン”という一つのジャンルになっています。両面とも大変精巧に描かれており、とても今から400年近くも前に作られたコインとは思えません、ターレルは、まちがいなく当時の世界最高峰のコインといってよいでしょう、ちなみにこのコインの価格ですが、不思議と安値に放置されています。未使用状態の素晴らしいコインですら、今のところ30万円も出せば買えるでしょう。神聖ローマは当時多くの侯国に分かれており、各侯国ごとに貨幣を作っていました、ですから今でも膨大な量が残されているのです。ただしターレルは当時から一般流通用に作られたコインであり、流通の過程で大半のコインは摩耗や劣化が進んでいます、したがってこのコインのような未使用状態のものは希少性が高く、投資対象として有望です。

さらに稀少性や投資価値を追求されるなら、この上の2ターレルがよいでしょう。2ターレルは1ターレルの倍の重量で60グラム近くもあります、直径は5センチほどもあり、迫力満点です。以下は神聖ローマのチロルで1604年に作られた2ターレルですが、なんとか実物大に近い感じになるように頑張ってみました。表面は当時の皇帝ルドルフ2世、裏面は侯国チロルの紋章です。残存枚数ベースでいえば1ターレル1000枚に対し2ターレルは1枚ほどしかなく、希少性は高いといえるでしょう。それでもオークションでは毎回2枚や3枚必ず出てきますので、頑張れば入手可能です。この写真のコインはさきほどのフェルディナンドの1ターレルより状態は悪く、極美品程(EF)程度です。現在の相場は30万円前後といったところでしょう。そもそも残存枚数が少ない2ターレルですから、状態の良い未使用品ともなればめったにお目にかかれません、先日のあるオークションでMS65(未使用品+)の素晴らしいコインが出品され、僕も最後まで競ったのですが・・・残念ながら競り負けてしまいました、根性が足りませんでした。思い出しても悔しい!落札価格は確か66万円、手数料を含めると75万円前後でした。なぜもうひと頑張りしなかったのかと今でも悔やまれます・・・余談でした。

ターレルに関してはさらにこの上に3ターレル、4ターレル、5ターレルと続きます、図案は3ターレル以上ほぼ共通で、「騎乗の領主」や「奔走する野馬の絵」、あるいは「リュートを奏でる少女の絵」など、いずれも絵画のような素晴らし図柄で思わず見とれてしまいます。3ターレル以上になれば、当然ながら2ターレルより希少性が高く、市場ではめったにお目にかかれません、3ターレルですら価格は100万円を超え高額コインの仲間入りです。サイズが大きく保管場所に工夫がいりますが、投資対象としては大変楽しみなコインといってよいでしょう。

2ターレルの極美品以上、1ターレルであれば未使用品級、加えて3ターレル以上の超大型の銀貨たち・・・僕は投資対象としてもっと評価されてよいコインだと思います。とにかく神聖ローマのコインは安値に放置されているところが魅力です、もちろんここ数年徐々に相場は上昇しつつあるのですが、イギリスやロシア、中国のコインほどではありません、下値の不安もほとんどなく、きっと良い投資になるでしょう。

 

 

 

 

 

 






totop