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2016年型ポートフォリオを考える

新年あけましておめでとうございます、
今年もこのメルマガと銀座なみきFP事務所ををよろしくお願いいたします。

さて今回はお約束通り、年初恒例の相場予想をお伝えしたいと思います。

内容は

1.今年の世界経済の注目点
2.地域別経済の予想
3.各種相場の流れと投資スタンス
4.2016年型ポートフォリオ

です、多分今回もすごく長いと思います。お時間ない方は
1と2を読み飛ばしていただき、3からお読みいただいても
大丈夫だと思います、でもお時間ある方は1から順番にお読みください。

ではまず今年の世界経済について予想してみたいと思います。

1.今年の世界経済の注目点

今年の世界経済の注目点を3つほど挙げさせていただきたいと
思います。

◇中国経済

中国という国について考える場合、私たちは
ある特別な視点が必要ではないかと僕は思っています。

それは同国の経済拡大に対する強い思い入れで、これは
おそらく中国以外のどの国にも見られない特徴といって
よいでしょう。

私たちには想像もつきませんが、かつての超大国であった中国にとって、
19世紀以降の近代史はよほど屈辱的なものではなかったでしょうか。

中国に臥薪嘗胆という故事がありますが、彼らはきっと
18世紀以前の覇権状態を回復するため、「あらゆる努力」を惜しまないのでは
ないでしょうか。「あらゆる努力」の中には、現在の国際的なルールや
慣行では認められていない行為も含みます。

ではいったい中国は、何を軸に据え覇権の回復をめざすのでしょうか。

短絡的に軍事力ということになりそうな気がしますが、
軍事力のベースになるのは経済力です、利口な彼らはきっとその認識を
もっているのではないかと思います。

経済の規模を徐々に大きくし、身の丈に合った軍備を備える。
経済力で他国を圧倒すれば、すなわちそれが戦わずして勝つ
ということです。

したがって中国にとって経済は、例えば日本人が考えるような、
漠然とした向上心や欲望の対象といった甘いものではなく、
臥薪嘗胆の末なにがなんでも拡大すべき、いわば生命線といって
よいのではないでしょうか。

中国の経済について考える場合、私たちはこのような視点にたって
予想すべきではないかと僕は思うわけです。

そのような大局観で再び今年の中国経済です。

今年3月に開催される全人代で、習近平政権になって初めての
五か年計画が発表されますが、その中で「年間平均成長率6.5%必達」が
盛り込まれる可能性が高そうです。

なぜ6.5%なのか・・・その根拠は知りませんが、彼らが「必達」と
考えるなら、あらゆる手段を用いその目標は達成されることに
なるでしょう。ただし例によって多少の数字に「盛り」は
あるでしょうが・・・

現在考えられる手段として、金融の緩和、財政の出動、あるいは
懸案になっている企業の過剰設備の解消などが考えられますが、
いずれにしても彼らには民主的な手続きは不要です。

迅速にこのような施策を動員すれば、習近平さんの目標は達成できる
可能性が高いでしょう。

なかには中国発の景気減速を、今年最大のリスク要因に挙げる方も
おいでのようですが、上記のような理由で僕は、少なくとも
ハードランディングと呼ぶに値する中国経済の減速は想定して
おりません。少なくとも今年に関しては・・・

ただし長期的には別です。

このようないわば小手先の経済政策は、中国内部にわだかまる歪みを、
徐々に亀裂と呼ぶべきレベルまで拡大させることになるでしょう。
そしていずれその亀裂は、中国を政体ごと揺るがす規模に育つのでは
ないでしょうか、ただしそれはまだ先のお話です。

◇米国経済

米国経済の焦点は、FRBによる利上げの速度・・そしてその速度に
米国経済が耐えられるか否か・・こんなところだと思います。

別な言い方をすれば、FRBが利上げを急ぎすぎないかという
事です。

この点に関して僕は、あまり心配をしておりません。
昨年12月にFRBは利上げを実施まししたが、そこに至る経緯を見ておりますと、
経済に対する見方は慎重で、市場との対話もうまくいっていると思います。

FRBは今年も実体経済を見ながら、無難な政策運営を行えるのでは
ないでしょうか。

◇産油国経済

昨年も原油相場が下がりました、WTIもので直近1バーレル=32ドル台まで
下げており、これは中東や中南米、ロシアなど産油国の経済にとって
大きな打撃となるでしょう。

貴金属や非鉄金属、鉄鉱石などの相場も下げており、南アフリカや
ブラジルなど資源国の経済にも大きなおもしとなりました。

国別に見ればブラジルやベネズエラ、南アフリカなど、資源価格の
下落に対し脆弱な体質をもつ一部の資源国にとって、今年もまた
危険な年になりそうです。

2.地域別経済の予想

続いて地域別に経済を予想したいと思います。

◇先進国

日米欧の3極経済を見ますと、米国は緩やかな回復基調、
欧州は0%台半ばから後半、イメージとしては例えば0.7%程度の成長、
日本はちょうど米国と欧州の真ん中あたりの成長ではないかと思います。

ここ2年にわたり、米ドルは世界の通貨に対して独歩高の傾向が
続きましたが、そろそろ停滞もしくは反落する可能性が高いと思います。

ここまでドルが買われた最大の理由は、米国の利上げ観測であったことは
間違いないでしょう。そしてこの2年の間に、米国の利上げは十分に
為替相場に織り込まれました。

相場は次の材料を探し始めることになるでしょう。

次の材料は何か・・・

僕は米国の利上げのピッチだと思います。

FRBの見通しは年0.25%が4回で、年間の利上げ幅は1%と決して
ハイペースとは言えません。市場の見通しはさらに低く、実力ベースで
せいぜい年0.75%との見方が中心です。

僕はこの見通しすら強気に過ぎる可能性があると思います、
米国の経済回復はすでに60か月目を超えており、戦後の平均的な
回復期間を上回りました。

場合によっては年内のどこかで回復の勢いが止まっても不思議は
ありません、為替はこのようなことを材料に、徐々にドル安方向に
向かうような気がいたします、したがって円は買われるでしょう。
我が国の経常黒字の拡大も気になるところです。

◇新興国

中国に関して冒頭申しましたように、ハードレンディングは想定しており
ません。ただし習近平さんが目指す6.5%成長は、決して高いペースでは
ありません、昨年は成長性が鈍化しましたが、それでも直近7-9月四半期ベースで、
6.8%が公表値でした。

今年は中国経済はさらに減速するとみて間違いないでしょう、
この中国経済の減速の影響は、世界のアチコチででるはずです、
同国への輸出依存度の高い欧州、さらにASEAN諸国、もちろんわが日本・・・

これらの国および地域の経済では、一年を通し常に負の影響を受け続ける
ことになるでしょう。

ただしその影響を心配しすぎるのも、また行き過ぎ
というものではないでしょうか。減速するといっても、公称6.5%
成長です。

ではほかの新興国はどうでしょうか。

昨年は産油国や資源国の経済の減速や後退が目立ちました、
負け組の代表は南アフリカとブラジルです、
とくにブラジルはひどく昨年7-9月四半期のGDPは-4.5%となり、
これはここ20年で最悪の数字でした。

一方でインドやフィリピンなど非資源国の経済は決して悪くはなく、
新興国というくくりの中でも資源への依存度の大小によって、
経済のバラツキが出てきたようにみえます。

今年もこの傾向が続く可能性が高いと思います。

南アフリカ、ブラジル、ロシアなど資源国経済が悪化する一方、
インドやフィリピン、トルコなど非資源新興国は一定以上の成長を、
維持できるのではないでしょうか。

3.各種相場の流れと投資スタンス

さてさてこのあたりから具体的な相場のお話に入ります。

◇先進国株と米ドル、日本円

米国株にとって、今年一番の注目は企業業績ではないかと思います。
米企業の2015年度の業績はまだ発表されていませんが、一般的には
わずかな減益に沈むとみられています。

米国の場合エネルギー関連企業に大きな会社が多く、
また一昨年から進んだドル高の影響もあったのでしょう。

では今年はどうでしょうか。

米国経済にって原油安は決して悪い話ばかりではありません、ガソリンが
安くなれば消費が活発になりますし、消費関連企業の業績は上向きます。
今年もドル高の影響は引きずるでしょうが、それでもここからさらにドル高が
進むとは考えておりません、むしろ先ほど申しましたように、今年は
ドル安傾向が出やすいのではないでしょうか。

このようなことを前提にすれば、今年の米企業の業績は、月が進むごとに
改善の方向ではないかと思います。中国減速の影響は続くでしょうが、
米国の場合、中国依存度は低く直接的な影響は小さそうです。

このようなことから僕は、米国株は緩やかに上昇するとみております。

ただし決して強気というほどではありません、米国の企業業績が
仮に5%ほど上がるとすれば、米国株の上昇もまた同程度の上昇に
とどまる・・・この程度の軽い期待です。

日本株はどうでしょうか?

昨年僕は日米欧の3極のうち、日本株に対して一番の強気見通しをもって
いましたが、逆に今年はさほど期待しておりません。日本株も米国株同様、
企業業績に注目しております。

今のところ2016年3月期の増益率は13%程度とみられているようですが、
果たしてそこはどうでしょうか・・・

米国と違って我が国は、中国減速の影響をより多く受けます、
さらに先ほど申しましたように、僕は今後やや円高方向に振れると
みております。例えば1ドル=115円をきったとしても、さほど
驚きません。

このような見立てが正しいとすれば、日本企業は春先から3月、4月にかけ、
当期の業績を下方修正する動きが出てくるのではないでしょうか。

さらに問題はそのあとです。

2016年3月期の業績発表のピークは5月ですが、その発表と同時に企業は
今期(2017年3月期)の業績予測を発表することになります。

もし、その時点で円高傾向がみえていたならどうでしょうか、ただでさえ
企業は固めの予想を出しますので、2017年3月期は減益を予想する企業が
増えるでしょう。

市場にとってサプライズとなり、株価が急落する場面もあるかも
しれません。

ただしここでも過剰反応は禁物です。

我が国企業は円高への耐性をすでに身に着けており、大きな潜在力を
持っているといえるでしょう。しかも円高は輸入物価の下落を通し、
消費を活性化いたします。内需型企業にとっては、製造コストも下がり
ますので決して悪いことばかりではありません。

2017年3月期の企業業績が減益に転じるとしても、その度合いは決して
急激なものではなく、日本株全体でみれば、まあ10%程度の下落にとどまる
可能性が高いのではないでしょうか。

日本株に関していえば、日経平均の安値が一時的に16,000円台に
沈む時期があっても不思議ではないでしょう。

欧州は中東問題やVW問題もありますし、実体経済は日本以上に
期待薄です、したがって欧州株に関しては弱気で見ております。

◇商品相場

CRB指数は13年ぶりの低水準で170を切ってしまいました、
原油や金、プラチナ、パラジウム、銅やアルミなど・・・軒並み
安値に沈んでしまいました。

いつも申し上げますが、商品相場というものは、例えば株式に
おけるPERやPBR、債券でいうところの利回りといった、いわば
価値を計る基準のようなものがありません。

例えば金が1オンス=1080ドル・・・これがいったい安いのか、それとも
高いのか、私たちはどうやって判断すればよいのでしょう。

現に2000年ごろの金は、1オンス300ドル前後で売り買いされて
いたものです。

唯一の判断基準は採算コストでしょう。

数年前まで金1オンスを掘って採算がとれる価格は、1200ドルなどとよく
言われたものです、ただしそれはすでに過去のお話し・・・

2014年以降進んだドルの独歩高によって、産金国の通貨はドルに対して
安くなり、おそらく現在の金の採算コストは、1オンスあたり950ドル程度
ではないかと思います。

このような点から現在の金の価格をみればどうでしょうか、
確かに1オンス=1080ドルは安い気がしますが、いまだに産金コスト
の上にあり、超割安という感じではありません。

これに対して例えばプラチナはどうでしょうか。

プラチナもの採掘コストも数年前は1オンス=1400ドルと
言われていたものです。が、2014年以降進んだドル高、ランド安によって、
現在では1オンス=1100ドル程度まで下げていると思います。

そのような観点で現在のプラチナ相場を見るとどうでしょうか、
現在の相場は1オンス=800ドルの後半ですので、どうも採算コストに
くらべ割安感が強いように思います、ただしプラチナに関しては、
VW問題があります、同社は今後ディーゼルエンジン車のウエイトを
下げざるを得ないのではないでしょうか。

このような点から総合的に考えて、現在のプラチナ相場は割安感が
あり、今年一年で1000ドル乗せはあると思います、パラジウムは
さらに割安感が強いといえるでしょう。

では原油はどうでしょう。

原油の場合は算出コスト以外にも基準があります。
それは当該国の財政維持可能な価格です、例えばサウジの場合、
産油そのもののコストは1バレルあたり10ドル程度だと
言われていますが、10ドルでは財政は維持できません、サウジが
財政黒字を維持するには、おそらく40ドル〜50ドル程度が
必要ではないでしょうか。

サウジ以外の国の産油コストはさらに高く、原油価格が
上記以上に高くなければ財政は維持できないでしょう。

一方で米国のシェールオイルはどうでしょうか。

一昨年あたりまでは産出コストが80ドルなどとよく言われたものですが、
昨年一年でこのレベルは下がり、いまでは40ドル台で採算がとれる
油井もあるようです。

今後さらに技術革新が進み、このコストは下がる可能性がありますが、
それでもそろそろ限界にきているのではないでしょうか。

今年の平均的な採算コストは40ドル台といったところだと思います。

そのような観点で現在の相場をみればどうでしょうか。

おそらく主要な産油国、それから大半の米シェールオイル会社にとって、
現在の相場で採算を得るのは難しいのではないかと思います。

イランの制裁解除に米国による原油の輸出再開・・・

目先原油が売られる材料は豊富ですが、おそらく今売っているのは
売りで稼ぐヘッジファンドが中心ではないでしょうか。ヘッジファンドは
短期の相場に大きな影響力を持ちますが、例えば1年、あるいは2年と
いった長期にわたり相場を動かし続ける力は持ちません。

年間を通してみれば、40ドル台という採算コストに向かって
相場は収れんするとみております。

◇現物資産

米国のQEは2014年終わりましたが、FRBはマネーの残高を現状のまま
しばらく維持する考えです。

日欧の強いQEは継続中ですから、先進国全体でみてマネーの残高は、
今年を通して増え続けることになるわけです。

僕はこの状況に対して大きな不安を持っていますが、
話が(さらに)長くなるので今回はふれません。

このような理由からいつも申し上げているようにマネーの対極にある
現物資産の相対的な価値は、今年も上がり続けざるを得ないでしょう。

いわゆる「強めの資産インフレ」というヤツです。

不動産、クラシシック・コイン、カラーストーン・・・
このたあたりの相場は今年も上がり続けることになるでしょう。

コインであれば中世神聖ローマ帝国の金貨と大型銀貨、
古代ギリシャ・ローマの金貨と銀貨、
アジア各国の19世紀のコイン・・・

このあたりに注目したいと思います。

カラーストーンは昨年に続き非加熱のルビーとサファイアです、
ご予算の少ない方はスピネルもいいでしょう。

特にビルマ(現ミャンンマー)のモゴック産の非加熱ルビー、サファイア、
スピネルは産出量が年々減っており、ますます希少価値が上がっています、
今後もよい投資になるでしょう。

今年に限らず、株や債券、現金などペーパーマネーと
現物資産のバランスは、常に意識しておきたいものです。

◇ヘッジファンド

年間を通し、やはり中国減速問題が、折に触れ相場のかく乱要因に
なると思います、従って今年も株や商品相場、為替、債券などのボラティリティは、
やや高めに推移するのではないでしょうか。

この場合中期トレンドフォロー型のヘッジファンドは大きな
期待が持てません、主要なプログラムがマイナスに沈むとは考えて
おりませんが、8%程度以下の平凡な結果に終わる可能性が高そうです。

これに対し、相場のボラティリティから収益をあげるタイプの
ヘッジファンドには期待が持てるでしょう。あるいは短期トレンド・フォロー型
のマネージド・フューチャーズも、プログラムによっては一定の収益を挙げる
モノもあるでしょう。

◇債券

日米欧の債券の価格は歴史的な高値を付けています。

つまり債券は買われすぎているということです、
米国の超長期債は確かに魅力があるのですが、現在の相場水準では
どうしても買う気になれません。

今年も年間を通してマネー過多の状態は続くでしょう、そのような観点から
債券は現在の高値を維持できる可能性はあるでしょう。

ただしここからさらに上昇するにはかなり無理があり、
来年以降の下落リスクのほうにむしろ注意が必要でしょう。

4. 2016年型ポートフォリオ

以上を踏まえ、最後に今年の推奨ポートフォリオについて、
まとめさせて頂きます。

毎年申し上げていますように、これは一つのサンプルで、
実際にはお一人お一人の経済状況やライフプランに
よって異なります、あくまで一つの投資のヒントとして
ご活用ください。

□2016年型ポートフォリオ

・先進国株(10%)

1.米国株ETF
2.日本株ETF
3.欧州株(ドイツや北欧株)ETF

・新興国株(10%)

1.インド株ETF
2.ASEAN株ファンド
3.フィリピン株ETF

・コモディティ関連資産(10%)

1.原油ETF
2.貴金属ETF
3.穀物ETF

・債券(0%)

・不動産系資産(40%)

1.日本不動産現物
2.日本REIT
3.米国不動産現物

・オルタナティブ(30%)

1.クラシック・コイン(ヨーロッパ各国、アジア、古代ギリシャ・ローマ)
2.カラーストーン(非加熱ルビー、非加熱サファイア、スピネル)
3.ヘッジファンド(トレンド・フォロー型、ボラティリティ運用型)

全体的に今年は株やコモディティなど、サイクル性資産
のウエイトを10%下げ30%といたしました。

内訳は株式が20%、コモディティが10%です。

これに対し非サイクル資産(現物系資産およびオルタナティブ)
を10%引き上げ70%といたしました。

今年の相場は変動が激しくなると予想しますし、なおかつ株式に対し
て強気の見通しを持つことができません。したがって今年はリスク回避型
であった昨年よりさらにリスク回避側にふり、『保守的なポートフォリオ』
を推奨いたします。

先進国株では米国株を筆頭に、次点が日本株です。
株については変動が激しくなると予想しますので、年初から
年央にかけ、大きく下げたところで少しずつ持ち高をお増やしに
なるとよろしいでしょう。

新興国株については、さきほど申しましたように選ぶ国によって
結果に差が出ると思います、ですからVWOのような新興国分散型ではなく、
例えばインド株ETFやASEAN投信といった、国や地域に対してスポットで
投資できるファンドがよいでしょう。

特に購入時期に関してアイデアがあるわけではありませんが、
今年は中国から出てくる数字に反応しやすい状態が続くでしょう。
したがってじっくり待って、大きく下げたところを、時間の分散を
図りながら購入されるとよいのではないでしょうか。

すでに新興国株をお持ちの方にとって、今後しばらく我慢の時期が
続くと思います、ですがここで売る必要はないでしょう、我慢して
維持されれば、長期的によい結果を生むのではないかと思います。

コモディティ関連商品は、昨年に引き続き低めの10%を維持しました、
原油の逆張り、貴金属の分散投資、夏場乾燥したお天気になるようなら、
穀物もよいでしょう。ただし異常気象が訪れてから購入するのでは
遅いです、すでに穀物相場は低位安定気味なので、思い切って
先に仕込むのも選択肢でしょう。

債券は昨年同様ゼロにいたしました、現在の金利水準では
リスクとリターンのバランスが悪いように思います、もし購入を
ご希望なら、例えば米国の10年債利回りが3%に乗せたあたりが一つの
タイミングでしょう。選択肢としては米国の長期債、もしくは超長期債です。

続いて非サイクル性資産です。

東京の不動産は昨年も値上がりしましたが、それでもアジアの諸都市、
たとえば香港や上海、シンガポールなどに比べるとずいぶんと
割安感があります、時々東京オリンピックがピークだとおっしゃる方が
おいでですが、僕はそうは思いません。

東京という都市は常に進化をし続けており、オリンピックが終わった
あとも止まらないでしょう。

引き続き東京都内の築浅ワンルームをお勧めしたいと思います。
ただし金利の上昇にはご注意ください、レバレッジを効かせるのも
選択肢ではありますが、身の丈以上の借り入れは危険です。

極力手持ちの資金の中で購入するようにしてください。

そのほか資産(オルタナティブ)では、今年はクラッシック・コインを
筆頭に挙げさせていただきました、昨年より5%上げさせていただきます。

繰り返しますがマネー過多状態には一定の備えが必要です、しかもコインは仮に
過剰マネーの問題がなくても、過去を振り返れば緩やかに上がりやすい特性を
備えています。流動性にやや難ありですが、それでも近年は日本でも
コイン・オークションが浸透し、出品・換金はさほど面倒ではありません。

次点はカラーストーンです、産出が急増するダイヤモンドや、
供給の面で寡占状態にあるエメラルドに比べ、ルビーとサファイアは
自由な市場で売買が成立する傾向が強いといえるでしょう。

ただし間違っても銀座や青山の宝石店で過熱石をつかまされないでください、
天然ルビーのピジョンブラッド2.5カラットが2000万円・・・ご注意ください、
過熱によって安価な石がきれいに発色いたします。過熱された石は
海外の一流オークションには出品できません、仮に日本国内で売ろうとしても、
200万円がせいぜいでしょう。

ヘッジファンドには厳しい環境が続くでしょう、新規のマネーを
投じられるなら戦略を厳選しなくてはなりません。ただし投資は今年一年で
お終いではありません、株や債券と違いヘッジファンドは長期保有が前提です。

そのような観点では中期マネージド・フューチャーズも悪くは
ないでしょう。

これでお終いです。

最後までお読みいただいた方は少ないと思いますが、
もしいらっしゃたらお疲れ様でした、お読みいただき誠に
ありがとうございます。

ちなみに書いてる方も結構疲れます、今回は1/5に書き始め本日1/8
までかかってしまいました、困ったことに書いている最中に為替や株が
大きく動いてしまい戸惑いました。が、あえて内容を変えたり見通しを
変えることはいたしませんでした・・・

年初恒例のこの「・・・年のポートフォリオを考える」ですが、
手前みそながら毎年高い精度で予測できていると思います、
昨年も商品相場以外はほぼ言い当てられたと思います。

なお昨年の「2015年型ポートフォリオを考える」は以下の
サイトにアップしております。

長さが苦にならない方はご一読ください。

https://www.ginzafp.co.jp/info/150121.html

最後になりましたが、今年一年の皆様の投資の成功を心より
お祈りしております。

 

では今年もよろしくお願いいたします。

(2016年1月8日)




 




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