景気後退のたび、先進国の中央銀行はマネーの供給量を増やし、世界中のマネーの価値は希薄化し続けました。
特にこの傾向はリーマン・ショック以降顕著で、2008年以降、日米欧の中央銀行の総資産は4倍ほどにも膨らみました。
マネーの価値の希薄化・・・これはすなわち資産インフレのことで、特に世界的にみて証券の価値はバブル化しつつあるといってよいでしょう。
日欧米など先進国の中央銀行は低金利対策をすすめてきましたが、これ以上の利下げは逆に景気に対してマイナスになるとの見方が大勢です。
さらに財政状態の悪化もてつだって、先進国側の景気浮揚策は、常に中途半端に終わらざるをえません。
世界はマイナス金利、マネーの大量印刷から抜け出す前に、次の逆風にさらされるという悪いサイクルに入っているようにもみえます。
このようにして世界的規模で増殖したマネーは、強欲な投機家の遊具となり、
マネーが実体経済を翻弄するという、異様な状態に陥っているといってよいのではないでしょうか。
このような環境のなか私たち日本人は、今後の資産運用や資産防衛を、どのような前提にたって考えておくべきなのでしょうか。
1990年代後半から2003年まで我が国で起きた金融不安、
2007年から2009年にかけて米国で起きた金融収縮、
2018年に始まった米中間の覇権競い。
そして2020年に起きたコロナ・ショック
残念なことに世界経済はますます混とんとして不安定になってきました。
次の震源地はアメリカか、
日本か、
それともシャドーバンキングを抱え込んだ中国か・・・
世界のどこでマネーの暴走が起きるかは、しょせん予想不能で、
一か所におカネを集めておくことは危険ではないかと私は思います。
であれば私たちが日ごろ心がけておくことは、ただ一つだけ・・・
資産の質的かつ地理的な分散に尽きるのではないでしょうか。
国内にお金を集中させることなく、かといって海外にすべてを逃避させることもなく。
株式や債券やヘッジファンドなど、ペーパーマネーだけに
お金を集中させることなく、一部のお金は不動産や貴金属など、現物の資産に移しておく。
ただやみくもに高いリターンを追求するのではなく、このように万一に備えた危機対応が重要ではないでしょうか。
そして分散した資産のうち、不幸にして一つが大きく毀損しても、
残余の資産で問題なく生きていけるようにしておくこと、
これがこれからの不安定な時代の王道ではないでしょうか。
特に富裕層に属する方にとって、この質的かつ地理的な分散を資産運用の基本理念に据えていただきたいと私は考えております。
日本国内の現預金や日本国債は、海外発の金融不安の影響を受けにくく、また流動性においても優れています。
逆に海外に置いた金融資産は、不幸にして日本が財政破たんしても、その影響を受けにくいでしょう。
また万一世界中が一斉に金融混乱に陥ったとしても、
口内外の不動産やアンティーク・コイン、カラーストーンなどの実物資産は、きっと皆さまを救ってくれることでしょう。
私たち先進国の住人にとって、これからも生きにくい時代が続くと私は思います。
それでも自らの強い意志によって、ご自分の資産と生活を守ることはできるはずです。
弊社が提供させていただくサービスは、このような考え方に基づいて設計させて頂いております。
弊社はこのような基本理念のもと、今後も皆様の資産運用ならびに資産防衛のお手伝いをさせて頂く所存です。
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