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人はいくら持てば幸せになれるか
皆さんこんにちは。
皆さんは西和彦さんという方をご存知でしょうか、西さんは学生時代にアスキーという会社を興し、その後マイクロソフトの副社長まで務めた人です。
その西さんが少し前、インタビューに答え、次のようにおっしゃっていたのをテレビで見ました。
 注)お話の細かいところは記憶が薄れていて、多少違うかもしれませんが内容は概ねこのような感じでした。
「私はマイクロソフトの副社長だったとき、総資産額が200億円を超えていた時期がありました、その絶頂期に私はこの200億円をどうしようと考えていたと思いますか?」

皆さん、いかがすか?
私たち庶民の常識では、200億円もあれば一生お金に不自由するはずも無く、「このお金をどう守るか」あるいは、「このお金をどう使うか」そのような事を考えたのではと思ってしまいますよね。
ところが西さんは、続けてこのように話されました。
「私はその時、どうやればこの200億円を500億円に増やせるか・・・
そういう事ばかり考えておりました」

私たち庶民には窺い知れない世界のお話ですが、人間の欲望というものは本質的にはこのようなモノなのかもしれませんね、人は例え200億円という大金を持っていたとしても決して満足できず、さらに大きなものを所有しようとする・・・・
元ライブドアの堀江さんにしても、そうかもしれません。
明らかに一生不自由しないお金を持っていながら、さらにそのお金を増やそうとする・・・・お金を増やす事自体が目的になってしまい、もはやそういう事でしか幸福を感じられなくなってしまっていたのでしょうか・・

人それぞれ価値の基準はさまざまですが、お金に関して申し上げると、沢山のお金を集めることが幸福ではなく、自分が今持っているお金に満足する、そのことのほうが余程幸福なのかもしれません。
とは言っても、人には住む家も必要ですし、子供には人並み以上の教育を施してやりたいと思います、また、年に一度くらいは家族で海外旅行に行きたいと思う・・・できればその程度の資産をもっておきたいものです。

では、一般的にはこのようにある程度の余裕を持ちながら、一生お金に不自由の無いくらしを送るためには、だいたいどれ程の資産を持っていたらよいのでしょうか。
私自身は住む家を別にして、それは2億円程度だと思っています。
あくまで私の主観ですが、結局このクラスの資産保有者が、最も幸福な人生を送れるのではないか、そのようにも思います。
ほぼ安定したインカム・ゲインを生み出す資産というものは、債券や不動産のように本来はミドルリスク・ミドルリターンに属します。

このような資産の平均利回りは、少し乱暴に均してしまえば、概ね5%程度といえるでしょう。
仮に2億円あれば、これらの資産に分散投資することにより、元本を減らすことなく、毎年1000万円程度のインカム・ゲインを死ぬまで受け取り続けることはそれほど難しいことではありません。
そのように考えると、2億円あれば人は一生お金を心配せず、豊かな人生を送る事が出ると言えますし、また、逆に言えばそれ以上のお金を持っていたとしても、それは必ずしもその人の幸福に繋がらない、このようにも言えるのではないでしょうか。

最後に、先ほどの西さんのお話の続きを御紹介しておきましょう。
「私は200億円持っていた当時より、賃貸住宅に住み、エコノミー席に座る、今の生活のほうに余程幸せを感じます」
実に示唆に富んだ言葉だと思います。

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