どう考えても起こりそうな事
皆さんこんにちは。

世の中には「どう考えても起こりそうなこと」がいくつかあります。

例えばこれから20年というスパンで見た場合、

『日本という国の経済的な地位の低下』

これはどう考えても避けて通れないでしょうし、反対に

『アジア、東欧など比較的政情が安定した新興国の経済的膨張』

はいかにも起こりそう(というか既に起こり始めていますが)な事。

東欧はさておいて、少なくともアジアは人口密集地帯でもあり、
その結果、20億、30億といった巨大な人間の塊が、今後一斉に先進国
の仲間入りをしてくるということになるでしょう。

仮にそうのような事態になれば、人口増加と生活水準向上の
ダブルの効果により、畜産物、水産物、穀物などの食料、他にも
エネルギー、地下資源などの需要は継続的に拡大して行くことでしょう。

コモディティ相場は確かに今年の5月につけた高値から、ここ5ヶ月の
間に20%ほど調整はしていますが、かといって長い目で見た場合、上記の
ような需給バランス問題は何一つ解決されておらず、やはりどう考えても
『長期のコモディティは買い』ということになるのではないでしょうか。

あるいは、新興国におけるインフラの高度化は、鉄鋼、セメント
建築、鉄道、自動車、船舶など幅広い関連産業に大きなインパクト
与えるに違いありません。

このような地殻変動は、これらアジア諸国の近隣に位置する我が国の産業にも、
好ましい影響を与えると予想されますが、それ以上にこれら新興国ネイティヴ
の企業群は、より直接的な恩恵を享受でき、結果的にはやはり我が国の産業が
1960年~1980年代に経験したような、急速な拡大期をどこかで迎えること
になるのではないでしょうか。

ここでひとつ数字を挙げさせていただきます。

1996年~2005年の10年間、下記の6種類の資産に分散投資した
場合の年度別リターンです。

投資対象は

・日本株
・日本国債
・外国株
・外国債券
・コモディティ
・REIT(グローバルなREIT インデックスを使用)

で各資産を均等に保有したという仮定です。

1996年 21.7%
1997年 7.26%
1998年 -9.94%
1999年 8.96%
2000年 8.78%
2001年 -0.28%
2002年 -4.93%
2003年 14.83%
2004年 10.97%
2005年 24.33%

期間平均(単純平均)は、年率+8.17%となります。
(以上AIG 広告資料より)

これに対し、仮にあなたが日本株や日本国債などに対して、すでに
10年前からその成長性に見切りをつけ、その代わり「成長資産A」
を組み込んだ、下記5資産によるポートフォリオを組んでいたとすると
どうなっていたでしょうか。

この場合の投資対象は

・外国株
・外国債券
・コモディティ
・REIT(グローバルなREIT インデックス)
・成長資産A(M社代表的なプログラムの実績を仮に使用しました)

となり(各資産とも20%づつ組み入れ)、年度別リターンは

1996年 33.57%
1997年 16.61%
1998年 -0.28%
1999年 0.10%
2000年 20.36%
2001年 6.73%
2002年 -0.26%
2003年 17.10%
2004年 10.81%
2005年 24.43%

で期間平均(単純平均)は、年率+12.92%となります。
(上記AIG資料に基づき、筆者加工)

6資産配分の場合、年間ベースでみたマイナス・リターンの年は3回
ありますが、これに対して5資産配分の場合は2度、いずれもマイナス幅は
ごく僅かでゼロ近辺といってもよいでしょう。

単年度の平均リターンを比較しても、従来6資産配分が+8.17%、これに対し
日本株/債券を除き、成長資産に置き換えた5資産配分が+12.92%ですから、
その差は僅かのように見えますが、この4%をバカにしてはいけません、
仮に1996年を100万円として、それぞれ10年後にいくらになっているか計算
して見ますと。

6資産配分 219万円
5資産配分 337万円

とその差は歴然です。

さてさてこれからの20年間、何が良くて、何がまずいか、これをピンポイント
で言い当てることはなかなか難しいことではありますが、冒頭申し上げたように
世の中には「どう考えても起こりそうなこと」というものがあります。

皆さんが、より高いリターンを追求されるならば、日本の株や債券の
ウエイトを徐々に落としつつも、今後の成長地域にお金をシフトしてゆく・・・

これまた「どう考えても起こりそうなこと」のように思います。



では 今回はこのへんで。

totop