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コモディティの新しいトレンド
皆さん、こんにちは。

このコラムでも過去何度か取り上げてきましたが、穀物相場の
トレンドが急速に変わってきたようですね。

2004年から原油を中心にしたエネルギー系のコモデイティがまず最初に
上昇し、2006年からは原油相場がボックス圏に移行する一方で金や銀、
銅、アルミニウムなどの貴金属、非鉄金属などに投機の対象が移り
相場を急騰させました。

一方でトウモロコシ、大豆などの穀物相場はその間ほとんど目立った動きは
みられませんでしたが、昨年9月あたりから急騰し、2007年1月現在では
トウモロコシ、小麦でここ10年間の最高値圏に達しています。

これら一連のコモディティ相場上昇の背景は共通しており、いずれも
根っこの部分では「中国やインドなどの人口大国の成長加速」という
ところに行き着いてしまうようです。

人間は豊かになると、牛肉や豚肉など肉食の比率が高まります、
一方で牛や豚などの家畜は穀物を食べて育ちますが、人間が直接
穀物から得るエネルギーの効率より、家畜経由で得るエネルギーの効率のほうが
低く、結果的に人間が直接穀物を食べるのにくらべ、肉を食べるほうがより
多くの穀物を消費するという事になるわけです。


また、これらの国で生活水準が向上することにより、例えば、自動車の使用
によるガソリンの消費、あるいは自動車そのものの生産に必要な鉄やアルミニウム、
白金などの消費量の増加などという形で相場に影響を与えます。

さらに中国人やインド人は元来、金やその他の貴金属に対する選好性
が強く、彼らの金融資産の一部は、金を始めとした貴金属の形で蓄えられることに
なります。

このよう見てゆくと、エネルギー価格の高騰、貴金属や非鉄金属の高騰、
穀物価格の高騰、これらは根っこの部分で繋がっていることが解ります。

投機的なお金は、常に市場の歪みを探して世界中を徘徊しています。

もともと彼らには、市場の新しいトレンドを作るほどの力はありませんが、
市場の歪みを見つけ、その歪みが正常化する力を利用して儲けることは得意
としています(場合によっては、それが行過ぎて新しい歪みを作る場合が
ありますが・・・)。

原油などのエネルギーを手仕舞った投機マネーが次に狙うのは、
やはりまだ歪みが残っている穀物という事になるでしょう。

特に、原油の代替エネルギーとしてのエタノールに対する需要見通しは
強く、米国ではトウモロコシから作られるエタノールの生産は2006年度に
50億ガロン(1ガロン=3.78リットル)と対前年比25%アップした模様、
さらに2008年末時点での生産量は100億ガロンに達する勢いです
(日経2007年1月11日記事より)。

またブラジルではサトウキビから作るエタノールの増産を加速しており、
6年後の2013年には現在の2倍の生産を計画しています。

トウモロコシと大豆は同じ畑で作りますので、トウモロコシの作付面積が
広がると、大豆の作付面積が狭くなり、結果的に大豆の相場へと投機マネーは
広がります。

このようにトウモロコシや砂糖、大豆、小麦などは今後もお互い
影響しあいながら、しばらく投機的マネーの受け皿になってゆくの
ではないでしょうか。

では私達はこよのうな新しいトレンドの中で、どのようにすれば
資産を増やしてゆくことができるのでしょうか。

時々RICI(ロジャーズ・インターナショナル・コモディティ・インデックス)
やGSCI(ゴールドマン・サックス・コモディティ・インデックス)などの
連動ファンドに投資すればいいとお考えの方もいらっしゃいますが、
各インデックスによって、組み入れているコモディティが大きく異なります
ので注意が必要です。

例えばRICIはの農産物31.9%、エネルギー44%、貴金属/非鉄金属21%と
なっていますが、GSCIはエネルギーの構成比が76%と圧倒的に高く、
貴金属/非鉄金属は9%、農産物も10%に過ぎません。

短期的に穀物相場に乗っかるのでしたら、穀物相場連動型の
ETFやGSCIのサブインデックスである「農産物指数(GSAG-TR)に連動
するファンドなどを探して投資するのが早道でしょう。

では 今回はこのへんで。





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