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ヘッジファンド〜最近の値動きを考える
皆さん、こんにちは。

ここのところヘッジファンドの運用成績が好調ですね、特に
昨年の後半からは目に見えてよくなってきました、今回は
そのあたりの理由について考えてみたいと思います。

まずその前に、ヘッジファンドといっても色々な運用戦略があること、
さらにその戦略によって好不調の理由はまったく異なるということ、
これらの点についてご説明させて頂きます。

ここで、全ての戦略についてとり上げるのは難しいですので、今回は
ヘッジファンドの代表的な運用手法である「トレンド・フォロー」
と「株式ロング・ショート」のみに限定させて頂きます。

ヘッジファンドについて考える場合、まず「投資対象は何か」という点、
次に「どのような運用方法をとっているか」、この2点をしっかりと
押さえる必要があります。

「トレンド・フォロー」の意味合いは「相場のトレンドに乗っかって
運用してゆく」というもので、相場が上昇と読めば先物の買い、相場の
下落を読めば先物の売りで対応します。相場の上げ下げの読みは、あくまで
「順張り」で決して「逆張り」はしません、言い換えますと、今相場が
上昇していれば今後も上昇し、下落しているのなら今後も下げが続くと
「読む」わけです(実際には、完全コンピュータによる自動プログラム
ですが・・・)。

結果的に、現在のトレンドが継続する限り、相場が上げても下げても
関係なく収益を上げ続けることができる、これがトレンド・フォロー
の「運用方法」です(もちろん、トレンドが反転すれば損失を出しますが)。

根底にあるのは、相場というモノにはリズムがあり、一旦上昇始めると
本来あるべき価格との乖離が許容範囲を超えるまで上昇を続け、乖離が
許容されなくなった時点で相場は反転し、今度は逆のトレンドが
生まれるという考え方です。

この考え方はとても奥が深いのですが、その要諦はといいますと、
『相場が参加者のマネーに対する執着心の総和を反映するのであれば、
このジグザク運動は未来永劫繰り返される』という言葉に集約できる
のではないでしょうか、さらに言い換えればこのリズム(ジグザグ運動)
は参加者全員の欲望によって形成されており、トレンド・フォローは、
この人間の欲望を利用して収益を上げるプログラムだと言えるのかもしれません。

少し講釈が長くなってしまいましたが、このトレンド・フォロー型
ヘッジファンドについて考える場合、もう一つの要素である「投資対象
は何か」という点も非常に重要です。

基本的に投資対象は「市場で取引されている流動性の高い先物」という
ことになるのですが、大まかに申し上げるなら

1.金融先物
2.商品(コモディティ)先物

に大別することができます、1についてはさらに細かく

・株式指数
・債券
・為替
・短期金利

の4つに分類できます、ただ例えば株価指数といっても、S&P 500 もあれば
Nikkei 225 もあるというように多くの投資対象がありますし、同様に
為替といっても円/ドルもあれば、ユーロ/ドル もあるといったように
実に多くの市場に分散して投資が行われています。

さらに2の商品先物についても様々な対象マーケットがあり、それぞれ
のマーケットで日々トレンド・フォローが繰り広げられており、
それらマーケットから得られる収益の合計が、ファンドのリターン
ということになるわけです。

これら投資対象のうちどこで勝負するか、それは各ファンドがそれぞれ独自の
ルールで決めており、例えばM社のAプログラムは直近では約70%が金融先物
となっていますが、S社のファンドでは金融先物と商品先物がほぼ50%
づつとなっています、中にはA社のファンドのように僅か10程度の市場
に集中投資するファンドもあります。


以上長々とトレンド・フォローの仕組みについてご説明させて頂き
ましたが、それではこのトレンド・フォロー・プログラムが昨年後半
から急速に収益を回復させた理由はどこあるのでしょうか、引き続き
その点について考えてまいりましょう。

上記のようにファンドによって投資対象も多少異なりますし、運用に際し
実際に使われているプログラムの中身を外部から窺い知ることは
容易ではありません。

それでもごく大雑把に申し上げて、以下のように総括してしまって
いいのではないでしょうか。

1.原油や貴金属を中心に、年前半は非常に値動きが荒い相場が続いたが、
年後半は緩やかなダウントレンドに移行した。

2.4月から6月にかけ、各国の株式相場が大崩れしたが、その後は持ち直し
年末にかけ緩やかな上昇トレンドが続いた。

3.為替や短期金利は、大きな波乱要因はなく、年間を通し、
比較的緩やかな動きに終始した。

トレンド・フォロー・プログラムにとって、今後もこのように好ましい
環境が続くかどうか、それは誰にもわかりませんが、少なくとも
皆さんが資産ポートフォリオをおつくりになる際、以上のような
ことをご理解いただいた上、ご判断頂く事は大いに意味があると
私は思います。

少し長くなってしまいましたので、株式ロング・ショートについては
次回のコラムでお話したいと思います。

では 今回はこのへんで。





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