周回遅れの金融業界
皆さん、こんにちは。

製造業の世界を見渡してみますと、ワールド・クラスの日本の技術を
いくつも見つけることができます。

・太陽光発電
・海水の飲料水化
・薄型ディスプレイ
・ロボット
・炭素繊維

などなど

私は会社の価値を判断する場合、「仮にその会社が無くなれば、私達
はどの程度困るか」が基準になると思っています。

例えばキヤノンが無ければ、デジカメの技術と一眼レフの技術は、
容易には結びつかなかったのではないでしょうか。

シャープがもし無ければ、液晶ディスプレイはここまで普及しなかった
でしょうし、液晶付きのカムコーダーは世に出なかったかもしれません。

ソニーがもし無ければ、ヘッドフォンで音楽を聴きながら歩くといった
文化が世界で広まるのに、あと数年を要したことでしょう。

ハーモニック・ドライブ・システムズが無ければ、NASAは火星探査機を作る
にもっと苦労したかもしれません。

このように、日本の製造業をみると、私達日本人や世界の人達にとって
なくてはならない会社をいくつも見つけることができます。

これに対し日本の金融業界を見渡すと、私などは暗い気持ちになって
しまいます。

日本の金融界は、一つでも世界に誇れるサービスを持っている
でしょうか・・・

・投資信託
・REIT
・ETF
・生命保険
・ローン

どれをみても、欧米で開発された商品の焼き直しばかりで、見るべき
商品は見当たりません。

特に投資信託。

ピムコ、ピクテ、シュローダー、HSBC、ゴルドマン・サックス・・・
人気のファンドには、運用をこれら欧米勢に任せてしまった商品
が目立ち(ちなみに製造業の世界では、これを『OEM供給を受ける』と
言い、多分に肩身の狭いコトの部類に属します)、相も変らぬ横並び
発想・・・

これに対し、例えば日本勢が運用するファンドを、海外のビッグネーム
が販売しているという話しなど、私はきいたことがありません。

あるいは生命保険業界。

我が国は、世界に先駆けて高齢化社会を迎えていますので、今までの
ように、欧米の保険の焼き直しが現在の日本人のニーズにマッチしている
とは思えず、逆に言えば、本来はそれだけ新種の保険商品を開発できる
大きなチャンスに恵まれているといえるのではないでしょうか。

そもそも日本人は世界でも有数の保険好きの国民、そのニーズをしっかりと
くみ上げ、ニーズにあった商品さえ真面目に開発すれば、必ず世界でも通用する
保険商品を作れるはずです。保険村のなかだけで仲良くするのはそろそろ
卒業し、ちゃんと消費者に向いて仕事をして頂きたいものです。

日本の金融業界について考えていると、どうしてもこのようにグチっぽく
なってしまいますが、そもそも彼ら(と政府)によって作られてきた
現在日本の金融システムは、すべての日本人が共有する(あるいは
共有せざるを得ない)公共性の高い社会システムでもあります。

社会システムというものは、その国の国民の成熟度(民度)を超えて存在する
ことはできず、そういう意味でこの問題は、私達日本人一人ひとりに与えられた
課題なのかもしれません、もしかすれば私達は、私たち自身の姿を金融業界
という鏡に映して見ているだけなのかもしれません・・・

少なくとも私達金融商品の消費者は、もっと金融の知識を身に付け、
自分自身の判断で金融商品を購入できるようになりたいもの。消費者の
目が厳しくなれば、商品供給側の思考回路も多少変わってくるのでは
ないかと思うのですが、皆さんいかがでしょうか。

では 今回はこのへんで。





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