個人がヘッジファンドを保有する本当の意味
皆さん、こんにちは。

私は、仕事柄よくヘッジファンドと通常の投資信託の違いについて聞かれます。

ヘッジファンドの特徴を教科書的にお答えするならば、例えば

・レバレッジを効かせて運用を行う点
・「買い」だけでなく、機動的に「売り」を組みわせて運用を行う点
・特にベンチ・マークを設けず、絶対リターンの追求を目指す点

ということになりますが、これをさらにを私流にまとめさせて
頂くと、下記2点に集約することができます。

1.投資対象が上げても下げても影響を(あまり)受けず、独自の
値動きを示す点。

一般の投信の場合、いくらファンド・マネージャーが優秀であっても、
投資対象そのものの値動きから開放されることはあり得ません、2月まで
のように日本株がよければ日本株投信は実に気持ちよく上がってくれますが、
今回の中国発ミニクラッシュのような時は、持っているだけで憂鬱に
なってしまいます。

このような相場の下落局面でも、例えば売り(ショート)と買い(ロング)
を半分づつ持っているファンドの場合、市場の動きに全く影響されること
なく、銘柄選択の良し悪しのみでファンドのリターンが決まりますので、
ファンドの保有者は市場下落の憂鬱から開放されるこことになります。

2.運用手法が多種多様で、リターン追求型から、リスク抑制型まで
幅広い銘柄群から、自分の運用スタイルにあったファンドを
選べる点。

ヘッジファンドのリスク/リターンは、下記の要素によって決定
されます。

1)投資対象
2)運用手法
3)レバレッジの比率

例えば、投資対象が株であっても、ロング・ショート(ロング・バイアス)
型もあれば、ショート・セラーズ(ショートのみ)もあるといった具合に
さまざまな運用手法がありますし、さらにファンドごとレバレッジの効かせ
かたも様々です。

また同じく株と一口にいっても、現物と先物、個別銘柄と指数や
オプションといったように、多様な投資対象があり、実際にはこれら
を組み合わせて運用しますので、さまざまな個性を持ったファンド
を組成することができます。

一般にヘッジファンドといえば、ハイリスク・ハイリターン
の代名詞のように言われていますが、もちろん高いリスクをもった
ファンドもありますが、リスクが抑制された商品も多数あります。

現在では、年金や基金などが益々ヘッジファンドの投資残高を増やして
いますが、それはポートフォリオのリターンを維持しながらも、
資産全体で見た場合のリスクを抑制するためです。

この考えは、『異なる値動きをする(値動きの相関性の低い)複数の
資産に分散投資することにより、資産全体のリスクは抑制できる』と
いう『現代ポートフォリオ理論』に基づいているのですが、これは
なにも年金や基金に限ったお話しではなく、私達個人にとっても
(規模はたとえ小さくても)十分当てはまります。

伝統的な金融資産といえば、株、債券ということになりますが、
これらに加え、一定額をヘッジファンドに分散させることにより、
資産全体のリスク(値動き)は抑制することができます。私は
個人がヘッジファンドを保有する事の意味は、リターンの追求ではなく、
むしろリスクの抑制にあると思っています。

では 今回はこのへんで。





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