■隣の大国
みなさんこんにちは。
私が始めて中国に行ったのは、確か25年ほど前のことでした。
当時は海外の一般旅行者の入国がようやく認められたばかり、
バリバリの共産主義の国でした・・・
すでに、上海や杭州など沿岸部分は既に比較的豊かでしたが、武漢や
西安など内陸部はまだまだ貧しく、感覚的にはちょうど現在のアフリカの
内陸部のような雰囲気だったような記憶があります。
その中国がみるみる経済的に発展し、いまではGDPベースで世界第4位の
国になり、そればかりか今後益々の成長が見込まれ、2020年あたりには
(購買力平価ベースでみて)米国を抜き、世界最大の経済大国になると
いいます。
隣の大国の急発展を目の当たりにして、わたしたち日本人として
は一種の脅威を感じざるを得ませんが、もしかするとこの『脅威』は
私達日本人のDNAに刷り込まれたものかから来ているのかもしれません。
両国の長い歴史を振り返ってみれば、常に中国が圧倒的な国力(経済力)
を持ち、日本はと言えば、その中国の隣に位置する小国であり続けました。
例えば経済的に見て、現在でこそ中国のGDPは世界の5%を占めるに
過ぎませんが、これは中国の長い歴史の中でみれば、むしろ異常なことで
あって、およそ2000年間というもの、中国は超大国であり続け、GDPベース
で常に世界の20%~30%を占めていたという研究もあります。
さらに単に人口の多さからもたらさる経済規模だけではなく、例えば科学技術
の面で見ても、文化水準の高さから見ても、この間、紛れもなく中国は世界
の中心の一つであり続けてきました。
幸か不幸か、このような超大国のお隣に居るとことで、私達の祖先は
当時の世界最高の科学技術をいち早く取り入れることができましたし、
文化の面でも好ましい影響を受け続けてきました、が一方で同時にその軍事的な
脅威を度々感じてきました。
私達日本人が、このかつての超大国の台頭を目にして、なんとなく
落ち着かない気持ちになるのは、私達の潜在意識のなかに、どこかしら
この国に対する畏怖の念があるからではないでしょうか。
19世紀から20世紀にかけ、一時的に(当時の)経済的新興国である英国や、
文字通りの新興国である米国などに、中国はその地位を奪われましたが、
歴史的に見ますと、むしろこの100年が異常な状態であり、現在はそれが
正常な状態に戻る過程にあると言うこともできます。
ジム・ロジャーズは「変化は投資のチャンスだ」と言って、年の離れた
自分の娘に、熱心に中国語の勉強をさせているそうですが、現在は
大きな過渡期・・・言い換えれば、まさに彼が言う『変化』の時でもあります。
長い目で見れば、中国が米国に代わって世界一の超大国になる日
がくるかもしれませんね(今の私達にはちょっと想像しにくいですが・・
25年前の私が現在の中国を想像できなかったように)。
中国株も悪くは無いでしょうが、ありそうに思うことは他の大勢も
同様に考えているでしょうから、それほどの妙味が残っているとは思えません。
むしろジム・ロジャーズがよく言うように「他人からの情報ではなく、
自分自身の目で見て耳で聞く、その上で自ら判断し行動する」
このようなスタンスが求められるように思いますし、そのためには(遠回り
のように感じられるかもしれませんが)、なにより中国をもっと
深く知ること、このことがかえってチャンスをものにする近道
なのかもしれませんね。
私はなんとなく、貴金属や穀物に妙味がありそうに思うのですが・・・
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
|
|
|