米国債 いつ買うか
皆さん、こんにちは。

ここのところ世界の主要国の金利が急上昇していますね、
私達資産運用を行う者達にとって、これはどのような
事を意味しているのでしょうか、あるいはこの金利上昇を
利用して資産を増やすには、どのような商品をどのタイミングで
購入すればよいのでしょうか。

今回はこのようなことを考えながら、久しぶりに債券のお話し
をしてみようと思います。

私達個人が資産を運用する場合、この債券という金融商品
は実に優れた特質を持っています。

例えば、発行主体が破綻しない限り、あらかじめ定められた価格
(額面)で現金化できるという点、債券以外で
このような特質を持った商品はみあたりません。

あるいは、値動き(言い換えればリスク)が小さい点、この価格変動
は債券の満期に近づくに従って、徐々に小さくなって行きます。

さらに言えば、株やコモディティといったほかの金融資産の
値動きとの相関性が低く、分散投資のパーツとして使い勝手が
よい点。

収益性という面では確かに地味な存在ではありますが、このように
債券は依然私達にとって、有効な投資対象であることは間違い
ありません、特に米国の長期債(10年物)の利回りは、既に
5%に乗せてきており、流動性、銘柄の多様性という点とあわせ、
その魅力度を増してきているのではないでしょうか。

私は以前から、相談者の皆さんに米国ゼロクーポン債の購入をお勧め
するケースが多く、その投資のタイミングは今年の秋以降
に来そうだ申し上げてきましたが、ご検討中の方は、そろそろ準備
を始められたほうがいいのではないかと思っています。

一方で、このような金利急騰局面では債券購入に際し、いくつか
注意点がありますので、少し御紹介させていただきます。

まず、金利の動きと債券の値動きは逆方向に動く点をしっかりと
押さえてください。

なぜそうなるかと時々質問を受けるのですが、例えば

・額面100ドル、現在価格95ドル、一年後償還

このような割引債(ゼロクーポン債)があったとしますと、この
債券の利回りは、下記のように計算できます。

・(100-95)÷95=5.26%

では、翌日この債券が94.5ドルと昨日より0.5ドル安い価格で売られて
いたとすればどうでしょうか、その場合の利回りは

・(100-94.5)÷94.5=5.82%

となり、債券価格(95ドル→94.5ドル)の値動きと、債券の利回り
(5.26%→5.82%)は逆の方向に動くことがお解りいただけたと
思います。

このように書きますと、少し数学的で難しいように思われるかも
しれませんが、実を言いますとこれは「同じ価値のもので
あれば、安く買えば儲けが大きい」という当たり前のことを
言っているに過ぎません。

ここで、実際のここ数ヶ月の米国ゼロクーポン債の価格と利回り
の動きを見ておきましょう。

ある証券会社の資料によりますと

・2007年3月23日時点、2017年5月15日償還銘柄(額面100ドル)の
価格は63.10ドル、利回り4.59%

となっておりました。これに対し約3ヵ月後には

・2007年6月8日現在、2017年5月15日償還銘柄の価格(上記と同一銘柄) の
価格は61.05ドル、利回りは5.03%

となっています。

米国の長期債(新発10年利付き債)利回りは、この間急騰しましたので、
上記ゼロクーポン債(10年後償還銘柄)の利回りも、このように
急上昇しており、結果として、3ヶ月間待つことにより、同じ商品を
約2ドル安く購入できたことになります。

では、今後はどう動くのでしょうか。

一般的には、景気拡大期には金利が上昇します、米国の景気を
みますと、昨年末時点では2007年のハードランディングを懸念する
声が多かったですが、どうやらそのシナリオも杞憂に終わりそう
ですね。

米国の景気は2007年第一四半期で底を打った可能性が高く、直近の
経済指標をみますと、徐々に景気の回復を示す数字が多くなって
来ております、仮にこのまま米国の景気が回復するならば、長期金利も
徐々に上昇し、米国債の買い場もそう遠くないということになりますし、
私自身もその可能性は高いと思っています。

もし為替の変動が気になるのでしたら、円高局面を待って、
まず米ドル建MMFを購入し、その後米国の金利を見ながら、適宜
米国の長期債にスイッチしてみてはいかがでしょうか。



では 今回はこのへんで。





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