■モノはどこまで作り続けられるのか
皆さん、こんにちは。
大昔、基本的に全ての人間は自ら(あるいは家族が)食べるものを
自ら採取し、狩猟し、あるいは漁していたに違いありません・・・
それが現代ではどうでしょうか、少なくとも先進国と呼ばれている国では、
ほとんどの人間は食料の確保とは全く無縁のところで生計を立てつつも、
食を得るということについて何ら困るところがありません。
食べること・・・例えば1万年まえであろうが現代であろうが、
人間というものは、元を正せばものを食べるということでしか
生きてゆけないわけで、にもかかわらずこれだけ大勢の人が
食と関係ないことをしながら、それでもなおかつ生きてゆける・・
この事実は、食糧確保の現場で、その生産性が格段に向上し
続けているということの証なのでしょう。
このように食物の確保という意味での生産性は、おそらく
1万年の太古から現代に至るまで向上し続けてきたでしょうし、
あるいはこれからの未来を考えても、やはりプロダクトとしての
一次産品の生産性は向上はし続けることでしょう。
では工業生産物についてはどうでしょうか?
こちらの分野も一次産品と同様、あるいはそれ以上の速度で
技術革新と生産性向上は加速し続けてきました、少なくとも
現在までは・・・ただこれからも未来永劫私たちが工業製品の
分野で、その技術革新と量産プロセスを進化させ続けることが
できるかといいますと、その点ではいくつか疑問が生じます。
まず第一は資源の枯渇問題。
農産物の場合、いわばはじまりはすべて一つの種子(たね)、
一つの種子からより多くの種子を生産する技術が生産性の向上
であり、ある意味テクノロジーさえ進化すれば、種はいくつでも
生産できます。
一方で工業製品の世界ではどうでしょうか、モノを作るには
原材料というものが欠かせません、商品によってそれは金属であったり、
石油化学製品であったりするわけですが、基本的にはいまのところ
これらの原材料は使い捨て、このままの調子で消費してゆけば
いつの日か資源は枯渇するか、枯渇しないまでも価格が高騰し、
大量消費に不向きな材料になってしまうのではないでしょうか。
第二は環境に対する負荷の問題。
農産物の場合、その生育の過程で農産物自身が酸素を供給し、
二酸化炭素を吸収するという特性をもっているため、いくら大量生産しても
(よほど量産のために環境を破壊しない限りは)人間の生活環境を脅かすという
ことは考えられません。
これに対し、工業製品の場合はどうでしょうか、いまさらここで
申し上げるまでもなく、工業製品の量産が環境に好ましい影響を
与えるという事はまずありえず、であればいずれ臨界点を
迎えることになるのではないでしょうか・・
このように考えて参りますと、やはり工業製品については、
どかかで「これ以上量産化できない」というところにぶつかって
しまうのではないかという気がします。
一方で幸いにして我が国には資源リサイクル、代替資源の開発、
省エネ、あるいは環境に対する負荷を極力小さくする技術、
このような素晴らしい技術がたくさんあります。
このような会社の株を持っていることが、純粋資産運用の観点
で報いられるかどうか、その点は解りませんが、
このような会社にはもっとスポットライトを当ててあげても
いいのではないでしょうか・・・少なくとも私達の未来を
もっと明るくしてくれる可能性を持っているわけですから・・
もちろん国としての支援すべきことはたくさんあると思います。
では 今回はこのへんで。
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