■変化はチャンス!
皆さん、こんにちは。
年初来世界の株価は大きく調整していますが、今回は日本株に
注目し、シナリオ別に、今後の株価水準について私なりの見通し
を御紹介したいと思います。
例えばこれから1年間というスパンで、今後の日本の株価の行方を
占う場合、大きく2つの要素について考えなくてはならないと
私は思います。
一つ目はなんといっても米国サブプライム問題、二つ目は日本固有の
問題として日本の政局の行方・・・ただ後者のほうはなかなか想定が
難しく(私としては是非小泉さんに再登板、あるいは新党を作ってでも、
国政を引っ張っていって欲しいですが・・・)、今回のシナリオから除外、
(残念ながら)現在の政局が今後も続くと考えるものと致します。
上記の前提で、下記の3種類のシナリオを想定してみました。
■シナリオ1(確率30%)
米国銀行の2008年第一四半期決算(1-3月)で、サブプライム関連損失の
計上打ち止め感が台頭、米国の企業業績は悪化するが、今後の見通しには
やや明るい兆し、失業率と新規雇用者数にも同様の兆しが、2008年末にかけ
少しづつみられるようになる。
一方我が国の企業決算は、2008年3月期(2007年4月~2008年3月まで)
は直近見通しからやや後退し、対前年比+5%程度で落ち着く。2009年3月期
は7期ぶりの減益となるが、対前年比で−10%程度と軽めの調整ですみ、
2010年3月期は前年時並の決算となる。
■シナリオ1の場合の今後の株価予想
現在の日経225ベースのEPS(一株あたりの利益)は、直近で約920円。
これに対し、2008年3末時点では-5%下振れとしましたので、その時点の
EPSは920円×0.95=874円となります。
また2009年3月期の減益率が10%ですので、同時期のEPSは
874円×0.9=787円
と計算できます、さらに2010年は前年並みですのでEPSは同じく787円と
なります。
上記をまとめますと各期末時点のEPSはそれぞれ
・2008年3月期 874円
・2009年3月期 787円
・2010年3月期 787円
といった具合に想定できます、仮にPERが15倍程度(これは今回の問題が
起きる前の、欧州と米国の中間程度の値)とすれば各期末時点の株価は
・2008年3月末 13,110円(874円×15倍=13,110円)
・2009年3月末 11,805円 (787円×15倍=11,805円)
・2010年3月末 11,805円(787円×15倍=11,805円) |
と計算できますが、実際には株価は企業業績を6ヶ月から12ヶ月程度
先取る傾向にあります、仮に9ヶ月先取って株価が決まるとすれば、
2008年の年央にかけ、日経225ベースで12,000円を切ったあたりで
しばらくもみあい、その後米サブプライム問題の終息、米国景気の
回復を織り込みながら2009年年初あたりから徐々に上昇トレンドを
描いてゆくことになるのではないでしょうか。
■シナリオ2(確率55%)
米国サブプライム問題の根は想定より深く、米国政府のたび重なる
景気対策やFRBの利下げにもかかわらず、なかなか終息の糸口を掴め
ない、米国の大手銀行も次から次に発生する新たな不良債権の償却が
追いつかないまま2009年を迎えるが、2009年に入り景気対策や利下げ
効果が現れ始め、米国の住宅価格も底打ちの兆し、米国景気も徐々に回復
に向かう。
我が国でも2009年3月期の企業決算は、15%程度の減益。2010年度は
米国を基点とした世界経済の回復基調をうけ、業績見通しはやや明るく
なるものの、年前半の減益傾向を挽回できず、2010年通期でみると
企業業績は5%程度の微減益となる。
■シナリオ2の場合の今後の株価予想
現在の日経225ベースのEPS(一株あたりの利益)は、直近で約920円。
これに対し、2008年3末時点では-5%下振れとしましたので、その時点の
EPSは920円×0.95=874円となります。
また2009年3月期の減益率が15%ですので、同時期のEPSは
874円×0.85=743円
と計算できます、さらに2010年は対前年比で−5%ですので、EPSは706円と
計算できます。
上記をまとめますと各期末時点のEPSはそれぞれ
・2008年3月期 874円
・2009年3月期 743円
・2010年3月期 706円
といった具合に想定できます、仮にシナリオ1と同じくPERを15倍程度
とすれば各期末時点の株価は
・2008年3月末 13,110円(874円×15倍=13,110円)
・2009年3月末 11,145円 (743円×15倍=11,145円)
・2010年3月末 10,590円(706円×15倍=10,590円) |
と計算できます。
仮にシナリオ1と同じく、9ヶ月程度株価が先行するとすれば、
2008年央の日経225の水準は11,000円台、2009年にかけてさらに
やや下がり、一番低いところで10,000円台を想定する必要がある
のではないでしょうか。ただし、そこからからは徐々に回復基調、
2009年を通してみれば、まずますの投資収益を得られたということに
なるのではないでしょうか。
■シナリオ3(確率15%)
米国のサブプライム問題は現在の予想よりはるかに深刻かつ広範囲に
および、米国は長期の景気後退期を迎える、2009年に入り、米国政府
は住宅ローン保有者に対する直接的な支援に税金を投入し、ようやく
この問題は解決に向かって動き始める、米国の企業業績は2008年度、
20009年度の2期連続減益となるが、2010年央から回復に転じ、再び
世界の景気を牽引し始める。
我が国でも円高、消費の低迷をうけ、企業業績は悪化、特に2009年3月期
は−20%と大幅な減益となる、20009年に入っても依然世界の景気は回復
せず、日本企業の業績は2010年3月期も−10%と2期連続の減益となる、
ただし2010年後半からは四半期ベースでみて業績は好転、2011年に向け、
あかるい展望が見えるに至る。
■シナリオ3の場合の今後の株価予想
現在の日経225ベースのEPS(一株あたりの利益)は、直近で約920円。
これに対し、2008年3末時点では-5%下振れとしましたので、その時点の
EPSは920円×0.95=874円となります。
また2009年3月期の減益率が20%ですので、同時期のEPSは
874円×0.8=699円
と計算できます、さらに2010年は対前年比で−10%ですので、EPSは629円と
計算できます。
上記をまとめますと各期末時点のEPSはそれぞれ
・2008年3月期 874円
・2009年3月期 699円
・2010年3月期 629円
といった具合に想定できます、仮にシナリオ1と同じくPERを15倍程度
とすれば各期末時点の株価は
・2008年3月末 13,110円(874円×15倍=13,110円)
・2009年3月末 10,485円 (699円×15倍=10,485円)
・2010年3月末 9,435円(629円×15倍= 9,435円) |
と計算できます。
仮に上記シナリオと同じく、9ヶ月程度株価が先行するとすれば、
2008年央の日経225の水準は10,000台、2009年にかけてさらに
やや下がり、一番低いところでは最悪10,000円割れを想定する必要がある
のではないでしょうか。ただし、そこからからは徐々に回復基調と
いう想定はシナリオ2と同じです。
以上長々と書かせていただきましたが、私自身は概ねこのような感じで
日本株の行方を見ています・・・が、いずれにしても「変化はチャンス」、
別の考えをお持ちの方も、私と同様な見通しをお持ちの方も、
御自分の見通しをはっきりとお持ちい頂いたうえ、是非この「変化」を
「チャンス」に結び付けて頂ければと思います!
では、今回はこのへんで。
(2008年1月22日)
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