アジアの世紀
皆さん、こんにちは。

サッカーのユーロ2008が先週開幕しましたね。

私は開幕戦のチェコ対スイス戦をテレビで観ながら「欧州の
強さ」がどこにあるのか、ちょっとだけ解ったような気がしました。

欧州の強さはどこにあるのかと考えますと、それは彼らが歴史的に、
あるいは民族的、文化的にも非常に近い関係にあるということ、
しかも彼らがあるときは分裂し、あるときは強国によって併合されながらも、
お互いに競い合い、時には模倣し合いながら発展してきたという
ところにあるのではないかと思います。ちょうどサッカー
という共通のスポーツ(いやもはや文化か)を通し、彼らが国の
威信をかけて競い合うように・・・

恐らく世界中どこを見渡しても、これほど高レベルで国力が均衡し、
しかも狭い地域にひしめき合うようにして、競争し続けた例は
他にないのではないでしょうか。

競争がないところには発展はありません、欧州が中世以降大きく
発展した原動力は、この分裂と競争にあったのではないかと私は思います。

これに対し、アジアの歴史をみますと欧州とは随分と異なった
経緯をたどっていることが解ります。

特に東アジアというエリアは、(少なくとも17世紀頃までは)良くも悪くも
圧倒的な国力を保ってきた中国中心のエリアで、周辺の国々は(ごく僅か
の例外を除き)ひたすら中国に恭順するか、あるいはいっそのこと同化して
しまうことにより、国としての命運を保ってきたといえるでしょう。

従って、そこに(欧州でみられたような)国同士の競争というものは、
あまりみられなかったわけですが、それでもこのエリアが当時の欧州に比べ、
文化的にも経済的にも高い水準に到達できたのは、中国という国の内側が
(まるで欧州のように)、地域ごと分裂や併合を繰り返し、その競争を通じ
発展してくることができたからだと私は思います。

さて、このように考えにたって、今後の欧州やアジアついて考えますと
いくつか予想できることがあります。

まず注目すべきは欧州にEUが成立し、おそらく地域的に今後ますます統合
が進むであろうという点です。

分裂と競争のうえに発展してきた欧州は、今後長い目でみると(5年や10年
ではなく、ずっと長い目でみてですよ)、平和と安定化が進む一方で、
いわばその代償として、衰退へと向かわざるをえないのではないでしょうか。

次にアジア・・・特に東アジアというエリアは東南アジアも含め、既に
一体的な経済圏を形成しつつありますが、この拡大東アジアともいう
べきエリアは、日本、中国、韓国、台湾、アセアンなどがこれからも、
時に競争し、時には連携しながら適度な緊張状態を保ちつつ、エリア
としての発展を続けることになるのではないでしょうか・・ちょうど
発展段階の欧州のように。

これは我が国にとって、決して悪いことではないと思います、
極東という、どちらかといえば今まで世界の辺境にあって、何かと
不自由な思いをしてきた我が国ですが、これからはかえってこのことが、
幸いするかもしれませんね。

そんなことを考えながらサッカーの試合を観ていました。


では、今回はこのへんで。
(2008年6月10日)




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