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価値の成長に賭けるか、歪みを見つけるか
皆さん、こんにちは。

私達が何かに投資しようとする場合、それはよくよく考えてみると、
以下のいずれの動機によって行っていることがわかります。

1.投資対象の価値が時間の経過とともに成長すると読み、他人に先立って
その対象に投資することにより長期で利益を上げる。

2.他人が見つけていない市場の歪みを発見、投資し、歪みが正常化
する過程で短期間のうちに利益を上げる。


例えば市販されている公募型投資信託、これらは投資対象が株であれ、
債券であれ、不動産であれ、コモディティであれ、基本的には投資対象
の価値の成長を前提としていますから、上記でいいますと1のタイプの商品
といえます。

もちろん、投資信託経由でなくても同じで、株や債券の個別銘柄を直接購入
する場合の動機も同じく1に属するといえます。

これに対し2の『歪み(ゆがみ)見つけ派』の投資は、例えばファンドの世界
ではヘッジファンドがこれに該当します、今そこにあるマーケットの歪みを他人
に先んじて発見し、マーケットが修正する力を利用して短期的に収益を上げる
タイプの運用手法です、ヘッジファンドの中でも、グローバルマクロや
裁定取引、ロング・ショート型のファンドなどはこの典型です。

ヘッジファンドなどプロの運用者だけでなく、近年個人にも、このように
マーケットの歪みを利用した収益獲得の機会が、さまざまな形で提供されて
いますね、FXの証拠金取引、株や商品の信用売買、株価指数のオプション取引
など・・・さまざま、その気になれば個人でも気軽に参加できます。

これら『価値成長前提派』と『歪み見つけ派』の投資手法の間には、
あまりに多くの違いがありすぎ、かえってその根本部分の違いが
みえづらくなってしまっていますが、よくよく目を凝らしますと、
両者の間にはよってたつ思想(ちょっと大げさか)の部分で、決定的
な違いがあることに気づきます。

『価値成長前提派』は投資対象の成長力に乗っかって自らの資産を
増やしてゆくという考えに基づいており、従って(読みさえあたれば)
参加者全員が資産を増やすことができます。

これに対し『歪み見つけ派』の投資手法はゼロサム・ゲーム、勝者の
儲けの合計は、敗者の負けの合計に一致するはずで、他人を出し抜くこと
でしか自らの成功は手にすることが出来ません。

ファンド経由で市場に参加する場合はさておき、特に個人で直接
『歪み見つけ派』の投資を始められる場合、その投資は
ゼロサムであること、従って他人を出し抜くことでしか、自分の
資産を増やすことはできないということを、明確に意識したうえで
投資を始める必要があるのではないでしょうか。

もちろん同じ土俵には素人の投資家だけでなく、プロの
ヘッジファンド・マネージャーが大勢乗っかっていることも
忘れてはなりません。

では、今回はこのへんで。
(2008年7月29日)




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