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ゴールは近いのか
皆さん、こんにちは。

今朝方FRBによるAIG救済策がまとまりました、これで何とか
AIGは破綻を回避することができたようです。

具体的にはAIGに対する850億ドル(約9兆円)の緊急融資と、同時に
同社の株式の79.9%を取得する権利を国が保有するという内容、
これによってAIGは実質的に国の管理下に置かれたといえるでしょう。

一方で週末に米政府はリーマンの救済を断念、その後の流れは
ご存知のとおりです。

ベアースターンズ救済、住宅系金融公社2社の救済、リーマン救済放棄、
AIG救済・・・一連のこの過程を見ていますと、米政府の苦悩が透けて
みえるようですね。

金融システムの健全性は維持したいが、一方で米国の世論や議会は
安易な救済に対しては批判的、間近に迫った大統領選挙もあり、
十把ひとからげにToo Big To Fail(大きくてつぶせない)とは
言い切れない状況にあったのでしょう・・・

うがった見方をすればリーマンを破綻させることにより、米政府は破綻
というイベントが持つの影響度の大きさを、国民や議会に訴求する
ことに成功したともいえます。

日本の1998年当時もそうですが、結局いくつか潰さないと
最終的なゴール(大手金融機関への強制資本注入)にはたどり着け
ないのかもしれません。

このAIG救済が最後になるのか・・・それともAIGの後にさらに
大きなヤマが控えているのか・・・あるいはその後、金融機関に対する
一斉資本注入のようなところまで行くのか・・・

今の時点で予想することはなかなか難しいですが、今までの米国を
見ていますと、少なくとも相当のスピード感でゴールに向かって
いることだけは確かでしょう。

あと重要なのは米国の住宅価格の動向、これが下げ止まらなければ
穴のあいたバケツに水をいれるのと同じ、ゴールは逃げ水のよう遠ざかり、
到達はおぼつかないでしょう。

ただ過度に上昇したものは必ず適正価格まで戻るもの、住宅価格に
ついては時間が解決してくれるのを待つしかないように思います(幸い、
下げ速度は徐々に緩やかになってきていますが)。

米住宅価格については、下記ケース・シラー住宅価格指数をご参照下さい、
都市別に統計をとっていますが、Composite-10(主要10都市の合成指数)
もしくはComposite-20(同20都市)のいずれかをウォッチしておけば十分
です。

http://www2.standardandpoors.com/spf/pdf/index/CSHomePrice_History_082653.xls

では、今回はこのへんで。
(2008年9月16日)




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