日経平均10,000円割れが意味するもの
皆さん、こんにちは。

今朝(10月7日朝)日経平均が4年と10ヶ月ぶりに10,000円を
割りました。

今朝のニュースでニューヨーク市場参加者のインタビューを
みていますと、みな一様にパニックに陥っている様子、市場の
混乱度合いがヒシヒシと伝わってきます。

人間はどうしても感情で動いてしまいがちですが、
感情の赴くまま流され周りと同じ行動をとっていては、投資の
世界で生き残って行くことは難しいように思います。

今回は「日経平均10,000円割れ」がどのような意味を持っているのか、
あえて市場の混乱から一歩引き、客観的に考えてみたいと思います。

まず市場参加者の今の精神状態についてちょっと考えてみようと
思います。

2009年3月期予想ベースでみたEPS(一株あたりの利益)は現在820円
あたり、従って日経平均10,000円ベースですとPERは

10,000円÷820円=12.19倍


これは37年ぶりの低さ、仮に金融市場の混乱さえなければ、魅力的な
水準だといえそうです。

ところが一方で昨年来の金融市場の混乱は、ここにきていよいよ
本丸の実体経済に影響を及ぼし始めました。

市場の参加者は恐らく

「たとえ来期予想ベースのPERからみて割安感があったとしても、
来期の国内企業の業績は今後下方に修正されるはず、しかも実体経済
への悪影響は始まったばかり、2009年3月期はもとより2010年3月期の
業績はどこまで下がるか見当もつかない」

とまあこのように考えているはずです。

このショックが起こる前、欧州と米国市場の平均的なPERは概ね
15倍程度でした、仮に日本株もPER15倍に収斂してゆくとすれば、
「日経平均10,000円割れ」は、今後の企業業績悪化をどこまで織り込んで
いることになるのでしょうか。

仮に日経平均10,000円で、なおかつPERが15倍だとEPSは

10,000円÷15=667円


となります。

従って、もしこのまま10,000円割れが定着することになれば、
それは市場がEPS/667円を織り込んだ結果といえるでしょう。

EPS/667円・・・


一方で現在の2009年3月期予想ベースのEPSは820円・・・

このギャップが即ち「今後の企業業績の修正予測」
ということになるはずです。

そしてその修正率は

667円÷820円=18.65%


となります、言い換えれば「市場は企業業績の悪化度合いを18.65%
と見ている」ことになります。

さてこの18.65%・・・

みなさんはどう思われますか?

冷静に考えて、もし18.65%も本来のギャップがないとすれば、それは
センチメントによる下方バイアス・・・即ち狼狽売りということになると
思いますが・・・

では、今回はこのへんで。
(2008年10月7日)




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