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輸出主導型経済は間違っているか
みなさんこんにちは。

『日本の経済は今まで輸出に頼りすぎてきた、今後はもっと
内需を拡大し、海外景気に影響されにくい経済を、構築し
なくてはならない。』

最近よく耳にする主張です・・・

果たしてこのような考え方は、今後の日本の将来にとって
正しい選択肢なのでしょうか。

少子化、高齢化、人口減・・・さらには世界基準で見た場合の
相対的経済力の低下・・・私にはこのような客観的状況が、
近い将来反転するとはとうてい思えません。

このような状況を前提として考えた場合、内需主導型経済で私達は
本当にうまくやってゆけるのでしょうか。

私は非常に大きな不安をおぼえます・・

もちろん縮小均衡という考え方もありますが、今のところ
縮小均衡が国民全体のコンセンサスになっているとは思えません。

内需主導型で成長は望めない、経済が縮小するのも受け入れられない、
であれば輸出主導型経済を選択せざるを得ないのではないでしょうか。

私はこの国は貿易立国を目指し、海外への輸出振興策を、むしろもっと
積極的に考える必要があると思います。

そういう観点で世界を見渡しますと、我が国は実におあつらえ向きの
条件を備えていることが解ります。

まず世界の人口大国である中国、インド、インドネシアなどアジア諸国
と地理的に近いこと。

さらにそのアジアはまさに成長の途上にあり、私達が造る高品質な商品や
サービスを渇望していること、これはアジアの文化を共有している
ということと、決して無関係ではないように思います。

自動車、バイク、家電といった工業製品に限らず、アニメや芸術、
日本型サービスといった文化や芸能、あるいは高級果実やブランド米
などの農産物に至るまで、ありとあらゆる私達の財産が、彼らに対し
魅力的に見えているはずです。

私達は今までのように企業単位で海外展開するのではなく、いわば
国レベルで、アジアと一緒に発展してゆくという考え方を持つことが重要
ではないかと思います。

そのためには、自国の成長だけでなく、アジアと成長を分かち合えるような
経済政策を持つことが重要ではないでしょうか、輸出振興策は裏を返せば
輸入振興策でもあります、例えば農産物を含む国内市場を思い切って開放し、
一方でアジア諸国との自由貿易協定を積極的に推進するという考え。

同時にアジアに対するODAを戦略的に増額し、それによってアジア諸国の
経済成長力を高めること、その上で積極的に製品やサービスをPRし輸出
を振興すること。

このような政策は即効性に乏しく、目先の経済対策に比べ、
一見優先順位が低いように見えますが、長い目で見れば国の礎を築く
重要な施策になるはず、例えば(あの)2兆円があれば、相当効果的な
投資を行えるのではないでしょうか。

海外の景気が落ち込むなか、輸出主導型経済はいまのところすっかり
悪者扱いを受けていますが、迂遠にみえても、いまはむしろ輸出主導型経済
の完成へむけて、アクセルをしっかりと踏むことが重要ではないかという
気がいたします。

では、今回はこのへんで。
(2009年1月14日)




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