■25年前のお話し
皆さん、こんにちは。
いまから25年前のお話し・・
私は当時三洋電機という関西の電機メーカーに入社したばかり、
配属先は財務部で、仕事がら同業他社の株価一覧が壁のボードに
表示されていました。
確かウチと三菱の株価は100円台の後半、東芝は200円台の後半、
日立はちょっとばかり高く400円前後だったでしょうか・・・
あれからいろんなことがありました。
同業他社への転職、東京への転勤、退職と今の事務所の開設・・
私自身もこの25年でさまざまな経験をしました。
でも株価は25年前に逆戻り、もしあのボードが誰にも書き換えられずに
あのまま放置されていたとしても、きっと今年の新入社員は25年前
のものだと気づかないでしょう。
このこと・・・よく考えてみると深刻です。
もちろん株式分割や増資もありますので、株価が全てでは
ありません。
それでも株価は企業に対する評価の目安にはなります、
現在の株価が25年前の株価と大差ないということ、言い換えればこれは
25年間で企業が自身の価値を高められなかったということでは
ないでしょうか。
それも一社や二社のお話ではありません、電機業界全体として
そうなのです。
小型の電池を造り、ウォークマンを造り、太陽電池を造り、
液晶テレビを造り、CDやMDを造り・・・円高に耐えてがんばり、
世界中のひとに便利で安価な製品を供給し続けてきたはずです、
それでも株価は25年前と変わらない。
私達はこの事実を一体どう解釈すればよいのでしょうか。
いくら努力して業績を高め、新製品を開発して社会に貢献しても
市場が評価するのは過去ではなく将来、マネーの世界では過去への
感傷は何の役にも立たず、一瞬でも成長を止め現状に満足してしまえば
即退場、市場で生き残れるのは進化し続けるものだけ・・・
電機メーカーの現在の株価は、如実にこのことを語っている
ような気がしますし、逆に現在の厳しい環境に適合した企業は、
次の繁栄を手にすることができるのではないでしょうか。
同じことは国レベルでも当てはまりはしないでしょうか、1980年台の
日本は円高を経てかえって競争力を高め、一気に繁栄期を迎えました、
が、一方で1990年代は自ら招いた逆境に飲み込まれ、その後の凋落の
きっかけをつくってしまいます・・
今回のショックで強くなる国はどこなのでしょうか・・・そして
逆境に飲み込まれて埋没する国はどこなのでしょうか。
自らの変化を拒むものはまず生き残れない。
企業であれ、国であれ、そして個人であれ・・このことは
心に留めておく必要があるのではないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
(2009年2月24日)
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