アキレスとカメ
みなさんこんにちは。

今回は短くコネタを一つ。

その昔、アキレスという若者とカメが競争しようということ
になったそうです、カメはアキレスより歩くのが随分遅いもの
ですから、数十メートルほどハンデをもらってスタート
することになりました。

競争が始まってすぐ、カメは後ろから迫ってくるアキレスに
向かって言いました。

「君はいつまでたっても僕に追いつけないよ~」

カメの理屈はこうでした。

「今僕がいる場所に君が着くころには、すでに
僕はすこし先を進んでいる・・・そして君がそこに着くころ
には、僕はさらに先を進んでいる・・・だから君は僕に
永遠に追いつけないんだよ。」

ところが実際には、カメはアキレスにすぐ抜かれて
しまいます。

以上は有名なパラドックスの例ですが、
カメのこの理屈のどこに誤りがあるのでしょうか?

よく考えてみると、この場合カメが言った「今僕がいる場所に君が
着くころには」の部分に、こっそりと『条件』が仕込まれている
ことが解ります。

『今僕がいる場所に君が着くころ』というように、
限られた時間のなかでは、アキレスはカメに追いつかれないのは
あたりまえですね、今から10秒後とか1分後といったように時間
を限定しているのと同じことですから・・・

感覚としてはいかにもヘンなのに、論理はいかにも正しいように
みえてしまう・・・

一般にこのようなことを『パラドックス』と呼ぶのですが、
経済の世界でも時々このパラドックスに出くわすことがあります。

さしずめサブプライム・ローンの証券化商品などは
この代表例といえるのではないでしょうか。

あるいは仕組み債なども、広い意味でこのパラドックスを
利用した商品といえるかもしれません。

では、今回はこのへんで。
(2009年4月28日)




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