斜陽の国の資産運用
みなさんこんにちは。

先日ワシントンで「米中戦略対話」が開催されましたね、
この会議は米国と中国が経済、環境、地域紛争など世界規模で討議
する場として新しく設定されたものです。

会議の内容そのものについては、「具体性に欠く」「問題の先送り」
といった否定的な批評が多かったようですが、私は内容そのものより、
むしろこのような会議が開かれるほど、中国の存在感が高まったこと
に対して驚いています。

お隣の中国がみるみる経済的に豊かになり、特にリーマンショック
以降は世界経済の救世主となり、そしてその経済力であの米国すらを
沈黙させ、米国と並ぶ2大経済大国(G2)の地位を占めにかかる・・・

人間にはそもそも「絶対的な豊かさ」などはなく、
他人と比べより「より豊かであること」で満足感を得られる
ようにできているようですね。

私たち日本人が中国に対し漠然と抱く不安の正体は、
急速に富裕化する隣人に対する恐れなのでしょうか・・・

それとも私たちの祖先が千数百年にもわたって、大陸に対して
抱き続けた畏怖や畏敬の断片が、私たちを不安に
させているのでしょうか。

日沈む国の急成長と日出る国の埋没・・
そして今年中にも日中のGDPは逆転するといいます。

モノの動きに慣性があるように、一国の経済の歯車も一旦動き始めると、
よほどのことがないかぎり逆に回転するということはないはずです。

経済活動というものは、突き詰めて考えれば人間一人ひとりが持つ
能力や努力といった、言わばパーツの積み上げのうえに成立して
いるのはず。一人ひとりが持つ基本的な性向が、ある日突然一斉に
逆方向に回転しはじめるということがあり得るでしょうか・・

もしそのようなことがあるとすれば、よほど大きな危機感
(あるいは逆に慢心か)が社会に充満したときでしょう。

このような理由から、私は相当高い確率で我が国の経済的な埋没と
中国の急成長は、ここしばらくセットで進行すると考えていますし、
私たちの漠然とした不安は、今後も解消に向かうことはないと
思います。

でも私たちは、たとえこの国が埋没しようとも、
この国とともに自分たちの資産を埋没させてしまうわけには
ゆきません・・・それが次世代への義務ではないでしょうか。

その為に私たちは、その先行者利得をいかし、これから
成長する国の成長性と、私たちの資産の値動きのベクトルを
一致させるということを常に意識して行うべきではないでしょうか。


では、今回はこのへんで。
(2009年8月4日)




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