日本株を持つ意味
みなさんこんにちは。

日本株を持つ意味はあるのか・・・

最近私は時々考えてしまいます。

日経225が最高値を記録したのは1989年12月29日です。

あれから20年という月日が経とうとしている
わけですが、日経225平均はいまだ当時の1/4程度に沈んだ
ままです。

考えてみればあの日生まれた赤ちゃんは、すでに19歳。
今年に年末には成人です・・・

少なくとも日本株投資家の、ここ20年の
忍耐が実を結んだとは言えそうにありません。

1990年に始まる「失われた10年」に耐え、
2000年に始まる「ITバブル崩壊」に耐え、
そして昨年の「リーマン・ショック」に耐え・・・

それでも日本株インデックス投資の長期投資は報われ
なかった。

このどうしようもない事実を、私たちはどう解釈し、
そして今後の投資にどのように結び付けてゆけば
よいのでしょうか。

まず私たちがこの「日本株20年史」から得る一つの教訓は

1.株式投資は経済成長性の高い国の株式市場で行うべき

ということではないでしょうか。

例えばお隣中国をみますと、2000年1月3日に、2000ポイントで
スタートした「香港H株指数」は、現在13000ポイントを超え、
当時の約6.5倍の水準です。

あるいは同時期のブラジル株をみても、この間約3.5倍に
上昇しています。

ではなぜ経済成長性の高い国の株価は、より速く上昇
するのでしょうか。

我が国の高度成長期の企業業績をみても解るように、
一般に高成長国の企業業績は、より速く拡大する傾向にあります。

その理由は、内需拡大によって売上増加の恩恵を受けやすい
ということもあるでしょうし、人件費を中心に製造コストの面で、
先進国企業にくらべ高い競争力を維持できるということも
あるでしょう。

つまり内国消費、輸出の両面で一時的に大きなメリットを
享受できるということではないでしょうか。

その結果、経済成長性の高い国・・・つまり新興国の
株価はより速く上昇する、このように言えるのでは
ないかと思います。

であれば私たちの株式投資は、より経済成長の高い国で
行うべきという結論になるはずです。もちろん短期的な
価格変動リスクを覚悟の上でのお話しですが。

二つ目の教訓は

2.仮に低成長国で投資を行う場合、長期投資の意味は
小さいと考える

ということです。

これは特にインデックス投資について言えることです、
インデックスを買うという行為は、平均点を狙うということ、
平均点そのものが上昇しなければ長期投資の意味はありません。

これに対しリスクはと言いますと、いくら成長性が低くても
価格変動リスクはしっかりと引き受けなければなりません。

株である限り相応のリスクから逃れることはできず、
リスク・リターンのバランスからみて、低成長国の
「インデックス長期投資」に、私は魅力を感じません。

そして、

3.それでもなお、低成長国で勝負したいなら「先読みの力」
で勝負する

という三つ目の教訓に行きつくことになります。

この「先読みの力」については、以前このコラムで書かせて
頂いたことがありますが、例えば「景気サイクルを先読み
して、相場から乗り降りする」という方法。

あるいは個別銘柄を長期間ウォッチしておき、その企業の
今後の業績を予想できるレベルまで深入りする。

具体的にはこのような手法が有効だと思います。

皆さんがもしこのような手法をとれば、たとえ低成長国の
株式市場であっても大きな成果を挙げることはできるでしょう。

ただこのような手法をとり、なおかつ成功をおさめるためには
相応の努力や労力が求められることになるはずで、誰もが
できる生易しいことではありません。

このような観点で、

日本株を持つ意味はあるのか・・・

最近私は時々考えてしまうわけです。


では、今回はこのへんで。
(2009年10月20日)




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