降りるべきか 乗るべきか
みなさんこんにちは。

「景気サイクルは実体経済と人間の心理の共振現象」と
前回のコラムで申しあげました。

例えば現在のような景気の回復期において、
その回復トレンドが途絶え、今度逆向きのトレンド(即ち
景気の後退トレンド)に転じるためには、その『共振』を
断ち切る『外からの力』が必要になります。

ではその時いったい、どの程度の大きさの『外からの力』
が必要になるのでしょうか。

私はその時点の景気回復の強さに依存すると考えています。

仮に現在の景気回復の勢いが、例えば回復の初期にみられる
ような、ごく小さなものだったとすればどうでしょうか。

おそらく景気のトレンドを反転させる『外からの力』も、
それほど大きなものである必要はなく、ごく僅かな圧力でも
景気は下降トレンドに入ることになるでしょう。

逆に景気回復が既に相当期間継続し、例えば市場が既に
バブル的要素を帯びていたとすればどうでしょうか。

この場合、すでに参加者の心理はかなり敏感になっており
ますので、さきほどと同じく僅かな外圧でも景気は反転することに
なるはずです。

一方で仮に現在の景気回復が比較的若く、なおかつ勢いのある
ものだったとすればどうでしょうか。

この場合景気を反転させるためには、相当大きな『外からの力』
をかける必要があるのではないでしょうか。

さてこのような観点で、いまの世界経済を見渡せば
どうでしょう。

『外からの力』としてみた欧州問題は、どの程度の大きさを
もっているのでしょうか・・・

また現在の景気回復の勢いは、その圧力を跳ね返す力を
もっているのでしょうか・・・

今後しばらく欧州は、財政再建に取り組まざるを得ず、
従って欧州の景気回復の勢いは弱まると考えておくべきでしょう。

これに対し、新興国、資源国、米国中心とした景気回復は、
欧州要因を吸収するだけの力を持っているのでしょうか。

相場に乗るにしても降りるにしても、ここしばらく私たちは、
この点に目を凝らして市場をみておく必要があるのでは
ないでしょうか。

では、今回はこのへんで。
(2010年5月11日)




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