そして菅さん・・・
みなさんこんにちは。

数年前「国家の品格」という本が出版され話題に
なりました。

内容については私自身もう、うろ覚えの仲間にはいっていて、
はっきりと思いだすことはできませんが、確か「日本人は
豊かさや効率の追求をやめ、日本人が古来から培ってきた
独自の文化や社会に回帰しろ」・・・このように強い口調の警告
が展開されていたような記憶があります。

当時私はこのコラムで、この考えに反論しましたが、
あれから年が経つにつれ、ますます「国家の品格」論が
日本人を誤らせたという気持ちを強くしています。

一人当たりのGDPが20位以下に下がり、
国の借金は際限なく増え、
銀座のデパートでは中国人が闊歩し、
国際会議での存在感は薄れ、
若者は海外赴任を嫌がり、そして公務員を目指し、
小学生の学力は低下し、
若年の失業率が増え・・・

いま日本で起きている、社会や経済の「老朽化現象」は
日本人が豊かさの追求や経済の効率性の追求から目をそらし、
いわば「国家の品格」などという安易な逃げ道に、逃げ込んだ
結果ではないでしょうか。

このような不安定で無気力な社会の住人が、国家の品格を
語り、世界の尊敬を集められるでしょうか。

私たちはきっとどこかで道を間違ってしまったのでしょうね。

格差の小さな社会
競争の少ない社会
弱者に優しい社会


選挙のフレーズとしては心地よい言葉ですし、この言葉に
面と向かって反対を唱えるには、相当の勇気がいるでしょう。

でも成長戦略のない格差縮小策が、人間の向上心を摘み、
社会の老朽化現象を招いているとはいえないでしょうか。

このところ毎年のように首相が変わりますが、阿倍さん以降、
鳩山さんに至るまで、大雑把にいってしまえばみな
「成長戦略なき格差縮小論者」の数珠つなぎでした。

そして菅さん・・・

草の根市民運動出身の菅さんも、その点では同様で、
彼の口から経済の成長戦略が語られるとは思えません。

だとすれば、私たちはこれからひたすら小泉さんのような、
稀有な資質と蛮勇をもった政治家の登場を、待つしか
ないのでしょうか・・・

では、今回はこのへんで。
(2010年6月8日)




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