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逆張りの農産物
みなさんこんにちは。

私は逆張りを得意としているのですが、
そういう観点で今市場をみ渡しますと、農産物市場は
いくつかの点でなかなか魅力的な投資対象にみえます。

まず何といってもリーマン・ショック以降、相場らしい相場は
なく、あたかもら忘れ去られてしまったような市場で
ある点です。

例えばPower Shares DB Agriculture というETFが
あります。

このファンドは

・砂糖 16%
・食肉 15%
・ココア 13%
・コーヒー11%
・大豆 8%
・トウモロコシ 7%
・小麦 6%


などを保有し、ニューヨークに上場するETFですが、
リーマン・ショック以降2年間のチャートをみますと
以下のようになっています。

http://finance.yahoo.com/q/bc?s=DBA&t=2y&l=on&z=m&q=l&c=

簡単にいいますと、基準価格は25ドル近辺に
張り付いたまま、全く動く気配なしです。

農産物ETFが安値に放置されている理由はいくつかありますが、
最大の理由は世界的に気候が安定し、特に穀物の生育にとって
好ましい環境が続き、供給が増えた点ではないでしょうか。

もちろん昨年インドの天候不順によって、砂糖の高騰の
ようなハプニングも起きましたが、おしなべていいますと、
世界的に農産物の生育は順調だったといえそうです。

ただしそれ以前の世界は、例えばオーストラリアの干ばつや、
米国の長雨など、なにかと農産物にとって厳しい天候が
続きましたし、私などは逆にここ数年の好天続きが、
不気味な感じすらしてしまいます。

さらには今後長期的に新興国の経済成長は続く可能性が高く、
そのようなことを総合し、どうもいまの相場水準は低すぎるような
気がするわけです。

私が農産物に注目する理由はもう一つあります。

先ほど農産物ETFのチャートを一つご紹介しましたが、
同じくInvescoが運用するETFで、非鉄金属相場に
連動するETFがあります。

下記サイトをご紹介しますので、興味ある方は覗いて
見てください。

http://finance.yahoo.com/q/bc?s=DBB&t=2y&l=on&z=m&q=l&c=

こちらの方の値動きは先ほどの農産物ETFと違って、
明確なサイクル性をみることができます。

ときどき私はこのコラムやMonthly Reportのなかで
申し上げますが、ココディティ相場は株式相場と違い、
セクターごとに全く異なる動きをしがちです。

このことは私たちがポートフォリオを構築するうえで、
大変使い勝手の良い特徴だといえます。

例えば株式だけでポートフォリオを構築する場合、
皆さんがいくら心血を注ぎ「日本株だ、米国株だ、
インド株だ、はたまたブラジル株だ」と凝った
分散を行ったとしても、実は新興国株ETF一銘柄に投資する
ことと、実はさほど大きな違いはありません。

なぜなら近年これら市場間の相関性は極めて大きく、
分散効果が得にくくなってきているからです。

これに対してコモディティはどうでしょう。

先ほどの農産物と非鉄金属のチャートをお比べ頂いて
お解りのように、セクター間で明確な値動きの違いを
みることができます。

もちろん株式中心のポートフォリオに対し、一定額の
コモディティを組み合わせてあげることで、資産全体の
価格変動リスクを下げることが出来ますが、さらに
コモディティのうち、どのセクターを組み入れるかで、
資産全体のリスク特性を、皆さん自身のご希望に
誘導することができるわけです。

以上まとめますと、

1.農産物が割安な水準に放置されている点。

2.株やヘッジファンドとの相関性が低く、また他の
コモディティとの相関性も低い点。

3.新興国経済の拡大に伴い、今後長期で価格が上昇して
ゆくであろうという安心感。


以上3つの理由で、私は今の農産物は投資に値すると考えて います。

では、今回はこのへんで。
(2010年6月29日)




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