■東京の暑い夏に想うこと・・・
みなさんこんにちは。
生産者人口が徐々に減ってゆくなかで、これから
我が国がとるべき選択肢は、じつはそれほど多く
ないように思います。
一国の豊かさが、その国で創造される価値の総量に
よって決まるなら、当然のことながら政策の軸の一つも、
この「価値の創造」に置かれるべきなのでしょう。
仮に価値を創造する人のあたま数が少ないのなら、
一人当たりが作り出す価値の量を増やすしか手はない
はずです。
例えば東京という都市は、およそ400年にわたって成長を
続けてきたともいえますが、徳川家康によって行われた都市設計
を除き、この間、政策的に都市のデザインが行われた形跡は
みあたりません。
東京は確かに世界的にも稀有な社会インフラと人口を
備えていますが、それはいわば400年の成り行きの結果といえる
のではないでしょうか。
この400年、広い意味で我が国は成長過程にありましたので、
いわばこのような成り行き任せでも、特に問題はなかった
のでしょう。
が、これからはどうでしょうか。
我が国は、歴史上久々に生産者人口の減少時代を迎えます、
私たちは生産効率を高めるため、意識的な都市への集中
を迫られることになるのではないでしょうか。
私がここでいう都市への集中とは、人口の集中と、
集中した人と人を結びつけるインフラの高度化のことです。
このように意識的に都市の生産性を高めることにより、
国としての価値の創造力を高めることは可能ではないでしょうか。
そのような観点で、いまの東京のあり様をみてみますと
どうでしょうか。
確かに東京は高度なインフラを備えていますが、東京が
さらに飛躍発展するために、羽田のハブ空港化や外環道の
整備など、交通インフラの整備は、まだまだ進めてゆく必要が
あるでしょう。
あるいはさらにビジネスの効率を高めるため、ブロードバンド
通信網の敷設促進も、今後も永遠のテーマであり続けるでしょう。
また良質な住宅供給という点でも、いくつかの問題を抱えているように
思います、現在の住宅インフラをベースに考えますと、果たして
東京は、さらなる人口集中に耐えうるでしょうか・・・
特に建物の容積率は、どう考えても低すぎるような気がして
なりません。
例えば高齢者向け賃貸住宅の組み入れを要件に、マンションの
建て替え時の容積率を一定割合緩和するのも有効ではないでしょうか、
さらにその容積率を自治体が買いとり、高齢者向けケア付賃貸住宅として
運営するのも面白そうです。
旧オーナーは余った容積率を売却でき、建て替え費用に充当でき
ますし、また問題になっている高齢者問題の解決に、多少なりとも
貢献できるかもしれません。
東京は確かに価値の創造という点で、多くの長所を備えた素晴らしい
都市ですが、今後シンガポールや香港、上海などアジアの都市達と
競争してゆくには、これからも進化し続ける必要があるはずです。
その意味でも国や自治体が、戦略的に都市の形を設計してゆくことが、
重要な意味をもつのではないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
(2010年8月24日)
■このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。
「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
|
|