来年の相場・・思いつくままに
みなさんこんにちは。

今年も明日から、はや師走・・・

早いものですね、年を重ねるごと月日の経つのが早く
感じられて仕方ありません。

今回はぼんやり思いつくままに来年の相場について書かせて
頂きます、事務所の窓から銀座の通りを眺めながら・・・

来年の前半はまだ、「先進国の低成長と新興国の高成長」が
組み合わさった状態が続くのではないでしょうか。

この組み合わせはコモディティと新興国株にとって
ある意味で「黄金のデカップリング」といってよい
と思います。

低成長に悩む先進国は、金融政策を緩和的に維持せざるを
得ず、その結果世界の経済は流動性満ちた状態が続くことに
なるでしょう。

過剰なマネーは高い成長性が期待できる新興国資産に
流入し、さらに新興国の人々の消費への期待から、コモディティ市場
へもマネーは流入し続けるでしょう。

かくして新興国株とコモディティは、この「黄金のデカップリング」
が続く限り上昇を続けることになる・・・

特に年の前半は、新興国株とコモディティにとって
かなり好ましい環境が続くのではないでしょうか。

一方でこのデカップリングは、いつまでも続くとは
限りません。

このデカップリングが崩れるとすれば、そのひとつの可能性は
先進国経済の回復でしょう。

厳密に申し上げますと、先進国経済は概ね2009年の年央から
回復基調にありますので、「先進国経済のより力強い回復」
ということになります。

例えば米国は2008年のリーマン・ショック後、極めて緩和的な
金融政策をとり続けていますし、2009年以降のドル安は、既に
米国企業にとってかなりのゲタになっているはずです。

既に米国の企業業績は相当のレベルまで改善されてきていますが、
この状態が続けば、やがてその恩恵は個人消費や雇用に及び、
米国経済はしっかりとした回復傾向を示す可能性が高いと
私は思います。

その明確なサイン(例えば雇用者数の明確な増加)が
現れるのは年央・・・場合によってはそれよりやや早いかも
しれません。

その時期をもって「黄金のデカップリング」期は終了し、
「先進国経済と新興国経済のカップリング」期を迎えることに
なるのではないでしょうか。

先進国の金利は上昇し始め、ドルも買われ始めることに
なるでしょう、一方でドルの代替資産として輝いた金(Gold)から
徐々にマネーが逃げ始め、その影響は金以外の貴金属、
即ち銀やプラチナにも一時的に及ぶかもしれません。

一方で新興国株や他のコモディティにとって、この新しい
カップリングは決して悪いお話しではありません。

株の世界では新興国株と先進国株が循環的に買われ、
息の長い相場になるのではないでしょうか。

米国経済が本格的に復調するなら、いよいよコモディティ界の大御所、
エネルギーの出番です。

エネルギー以外では、世界の景気動向に密接な連動性を持っている
非鉄金属も面白いのではないでしょうか、ただし非鉄金属はエネルギー
と違って既にかなりの高値圏にあります、万一このシナリオが崩れた場合の
ショックは覚悟しておく必要があるでしょう。

農産物は今年6月の安値圏から、既に大幅な上昇をみせて
いますが、それでも長期的にみて上昇余地はあり、
目先一時的に調整することがあっても、その忍耐はいずれ
報われる時がくるでしょう。

上記は好ましい形での「先進国経済と新興国経済のカップリング」
ですが、逆なカップリングもありえます。

即ち新興国経済が後退する形で迎える「先進国経済と新興国経済の
カップリング」で、これは最悪のシナリオです。

ただどうでしょうか・・・

2008年のリーマン・ショック以降、いち早く回復過程に入り
世界経済を牽引してきた新興国の経済が、僅か2年ほどの回復期の
あと後退期に入るものでしょうか。

むかしから『山高ければ谷深し』と言いますが、2008年の谷が深かった
ぶん、それに続く山は高くなる可能性はあります。

中国やインドでは物価上昇懸念から、既に金融引き締めモード
に入っていますが、えてして経済の回復は金融引き締めのなか
で進行するようです。


このようにつらつら考えますと、この悪いシナリオは、
今の段階では番外編と位置付けておいたほうがよいのでは
ないでしょうか。



以上来年の相場について、
窓から人の通りを眺めながら・・・



では、今回はこのへんで。

(2010年11月30日)





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