■次の景気後退期に備えて
みなさんこんにちは。
景気は循環するもの・・・
残念ながら2009年の初頭から続く今回の景気回復も、
いずれ終わりを告げ、再び景気は後退期に入ることになります。
多くの皆さんは、株や商品など景気回復期に価格が上昇する
資産をお持ちでしょうから、今回の景気回復では順調に資産を
増やされたことと思います。
が、景気回復期も2年が経過しようとしていますので、
そろそろ景気後退に備え準備をしておくべきではないでしょうか。
第二次世界大戦以降の米国の景気回復の平均期間は約36ヶ月、
これに対し既に24ヶ月以上が経過しつつあるわけです。
といってもこれはあくまで過去の平均期間です、
世界的にみて景気回復期は徐々に長くなりつつあるように
みえますし、今回は前回の異様な景気後退期の後に迎える
はじめての回復期で、必ずしも過去の経験則が当てはまるとは
限りません。
ただやはり備えあれば憂いなし、私は景気後退を意識した
ポートフォリオについて、いまかのうちから考えておくべき
だと思うわけです。
そのような観点で金融の世界を見渡した場合、確かに先進国の
債券は選択肢の一つでしょう。
ただし私たち日本人にとって外債は、そのリスク構造として、
いわば二階建て構造の一階部分に為替変動という大きなリスクが
ありますので、私はリスク・リターンのバランスの点で
あまり好きにはなれません。
ヘッジファンド・・・
マネージド・フューチャーズは一つの選択肢として有効では
ないでしょうか、相場のトレンドが下向きでも収益を上げることが
できますし、万一経済に不測の事態が起きた時の安全性についても、
前回のリーマン・ショックでストレス・テスト済みです。
加えて貴金属・・・
特に金がよいのではないでしょうか。
次の景気後退は、21世紀にはいって世界が経験する2度目の
景気後退期です。
既に世界経済の構造は大きく変容していますので、前世紀の経験は
全て当てはまるというわけではなく、恐らく20世紀型の景気後退とは、
少々違った風景が展開されるとみておくべきではないでしょうか。
この場合の一つのヒントは前回の後退期にあるかもしれません、
前回はリーマン・ショックという特殊性を帯びてはいましたが、
これから世界が経験する景気後退期は、多かれ少なかれ、
金融的な様相の大転換を伴うと覚悟しておくべきなのかもしれ
ませんね。
例えば・・・
欧州のソブリンリスク
日本の財政危機
米国の過剰流動性バブルの崩壊
これらが景気後退のきっかけになるかもしれず、
また逆に世界の景気後退が、このような金融危機を招く
ことになるのかもしれません。
いずれにしても先進国経済が、多くの問題を抱えた形で
迎える2度目の景気後退になるわけですから、私たちはそのことを
踏まえて荒天準備しておくべきではないかとおもうわけです。
そのような観点に立ちますと、やはり金(Gold)は外せそうに
ありません。
先進国が野放図に供給してきたマネーが、相対的な金の
価値を高めてきましたが、おそらく次の景気回復期は
上記のような観点で、場合によっては前回の後退期以上に、
多くの流動性を供給せざるを得ない状況に追い込まれるのでは
ないか・・・私はこのように思うわけです。
繰り返しになりますが、次の景気後退のタイミングについて、
私は現時点で特に確定的な考えを持っているわけではありません。
前回のメルマガでお話ししたように、先日来の商品相場の
急落が逆に景気回復を緩やかなものにし、幸いに景気回復
の延命につながる可能性もあると思います。
その場合、当面は金に対して負の圧力がかかり続けるでしょう。
今回の私のお話しは、あくまでその先のお話として
お受け取り頂きたいと思います。
では、今回はこのへんで。
(2011年5月17日)
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