■金とはいったい何なのか
みなさんこんにちは。
私は理屈抜きで金(Gold)という金属が好きです。
確かに金融商品としての価値にひかれる部分もあるのですが、
それ以前に重量感、輝き、色彩の美しさという点で、
他の金属と比べ群を抜いた魅力を感じてしまいます。
例えば金をプラチナと比べるとどうでしょうか。
まずプラチナは希少性において、金に対して
圧倒的に高い価値を持っています。
人類が過去採掘したプラチナの重量は、僅かに金の採掘総量の
1/30ほどでしかありません。
ひらったくいってしまえば、プラチナは金の30倍程度の希少性
をもっているといってよいでしょう。
では実用性はどうでしょうか。
プラチナの産業用途は20世紀末以降急拡大し、現在では自動車の
触媒用途をはじめ、多くの産業で不可欠なレアメタルの一つに
数えられています。
これに対し、金も多少は産業利用されていますが、
その割合は極めて低く、全消費量の僅か10%強に過ぎません。
つまりプラチナは金に比べ、極めて実用性の高い金属だと
いえるでしょう。
さらに腐食性、耐久性のおいてもプラチナは、
金と比べて決して劣っているとはいえません。
このように金とプラチナを先入観なしに比べますと、
圧倒的にプラチナの価格が高くていいように思いますが、
両者の価格は
・1オンス=1520ドル(金)
・1オンス=1805ドル(プラチナ)
注)本メルマガ配信時のスポット価格
というように、確かにプラチナの方が高いのですが、
その価格差はそれほど大きくはありません。
つまりプラチナは希少性や実用性において圧倒的に金を
凌駕しているにも関わらず、金との価格差にそれが十分反映
されていない・・・言い換えれば金の方に、何らかのプレミアムが
上乗せされているのではないかと私は思うわけです。
そのプレミアムの正体は一体何なのか・・
むかしから金は貨幣としての長い歴史をもっており、
それが金への偏好として現代に受け継がれているのでは
ないでしょうか。
では、昔から金が貨幣として用いられてきた理由は
何なのか・・
つきつめてゆくとそれは単純に、私がそうであるように多くの人が、
ただただ金のもつ美しさ、輝き、色彩に魅かれているだけ・・
つまり人が普遍的に収集してみたいという魅力を持っている
からではないでしょうか。
プラチナが貨幣として使用されなかった最大の理由は、
その裏返しではないでしょうか。
このように金が持つ特性を一枚一枚はがしてゆきますと、
金のプレミアムの正体は、私は最後には人が持つ収集欲に
行き着くような気が致します。
金を所有したいという欲求は、例えば美術品や切手の収集と
同じく人間が理屈抜きにもっている収集癖の一形態に過ぎず、
投資の世界で金に集まる巨額のマネーの正体は、つきつめれば
一人一人の人間が持つ美への執着心の集合ではないかと私は
思うわけです。
つまりより多くの人間が豊かになれば、
より金への執着の和は増える・・・
そんな気がしています。
では、今回はこのへんで。
(2011年6月14日)
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