■銀・・・よもやま話し
みなさんこんにちは。
今回はお盆の最中ということもあり、
少し私の趣味である銀のお話しをさせてください。
はじめに銀とはいったい何者なのか・・・
こんなことを考えてみたいと思います。
私たちの祖先は確かに金(Gold)を貨幣として使って
きました、それは金という金属が腐食しにくく、なおかつ
適度の量が採掘できたからではないでしょうか。
あるいは金という金属のもつ、自然界では他に見られない
独特な色彩や輝きが、人々の収集欲を引き付け続けた
のかもしれません。
適度な採掘量と腐食耐性、それに独特な色彩が
あいまって長年金は通貨として使われ続けたのでは
ないでしょうか。
これに対して銀はどうでしょうか。
古代のギリシャ・ローマ、インドの古代、あるいは
オリエントとよばれた古代の中東地域など、世界の
あらゆる地域を見渡してみても、銀もまた金と同様に
通貨として使われた古い歴史をもってることがわかります。
銀は腐食性において金にやや劣りますが、
それでも例えば自分一代と自分の子供の代までに、
無価値になるというほど腐食の心配はなく、
その点で銀は通貨としての素養をもっていたといえる
のでしょう。
あるいは採掘量においても、銀は有史以来常に金以上に
潤沢な供給能力をもっており、しかも適度にしか掘れない
という”ほどほどの希少性”もあり、その点でも通貨としての
素養があったのでしょう。
中世以降徐々に経済活動が活発になり、経済の規模が
拡大してゆくなか、供給量の点で難がある金に対して、
その代替物として銀の通貨としての地位が確立した・・・
これが世界的にみた中世から近代に至る、大雑把な
銀の位置づけではなかったでしょうか。
現代では銀は貨幣として使われることはありませんが、
いまでも私たちのなかに古代から中世、そして現代に
至る銀の記憶が刻まれているのではないでしょうか。
まあ私は勝手にそのように解釈し、
趣味の銀貨集めに励んでいるわけです。
一方で私は銀を投資の対象として見ることもあります、
上記のように銀は金と同様に準通貨としての性格も
もっていますが、投資対象として見る場合、銀が持つ
他の側面にも目を配る必要があります。
まず銀は金と違って産業用の実需があります、
金も確かに電子機器の接点などに使用されていますが、
そのウエイトは低く、需要全体の10%程度に過ぎません。
これに対し銀はむしろ産業用途のほうが多く、その
ウエイトは60%を越えています(2008年データ)。
従って銀は金とは違って景気の変動を受けやすい
特性をもっているわけです。
さらに銀を投資対象としてみるばあい、
その市場規模について理解しておくことが重要です。
手元にはあいにくと2008年のデータしかありませんが、
同年一年間で銀の取引量は約27,500トンとなっています。
これに対し金をみますと、同年の年間の
取り引き量は約3,890トンでした。
上記のように重量だけみますと銀の方が大きいのですが、
金額に直しますとまた見え方は違ってきます。
現在の価値で双方の市場規模を計算しますと、
銀は約350億ドル、日本円になおすと2.7兆円です。
これに対し金はといいますと約2200億ドルで、
これは日本円で約17兆円となります。
銀は金より希少性が少ない金属ですが、上記のように
金額ベースの市場規模は逆に金より極端に小さく、
金の僅か15%程度に過ぎないわけです。
市場規模が小さくなればなるほど、僅かなマネーの
出入りで相場は大きく揺れることになります。
従ってこの市場規模の大小は、投資に際して大切な
ポイントになるわけです。
そういう観点で銀をみますと、金よりよほど上下動の
激しい金属だと考えておく必要があるでしょう。
特に景気の後退期は、銀が持つ産業用金属としての側面に
スポットがあたり、激しい売りを浴びせられることになります、
が逆に景気の拡大期には、その市場規模の小ささゆえ、
驚くほど上昇することもあるわけです。
趣味として集められる場合は問題ないですが、
投資対象として見た場合、銀はより専門性を要求される
金属だと考えておく必要があるでしょう。
まだ少し書きたりない気もしますが・・・
今日はお盆のお休みですから、これぐらいに
させて頂きます。
では、今回はこのへんで。
(2011年8月16日)
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