欧州危機の先を考える

2003年に我が国で起きた金融不安、
2008年に米国で起きた金融ショック・・・

世のなかが真っ暗で、相場も見たくないような時、
あとから振り返れば、その時が株やコモディティの仕込みどき
だったことが解ります。

今起こりつつある欧州の財政不安は、
その地理的な広がりや、深刻さの点で、
やや2003年日本ショックを上回り、
やや2008年米国ショックを下回る、
そのような規模ではないかと思いますが、少なくとも
問題が顕在化したあと、現在に至るまでの経緯をみる限り、
欧州問題は過去私たちが経験した、2度の金融ショックと
酷似していることがわかります。

ヒトは人種に関わらず、同じ誤ちに陥るもなのなのでしょうか・・
日本の失敗、米国の失敗、そしていま起きつつある欧州の失敗。

大きさや広がり、そして問題の本質は違っても、
失敗に至る経緯や、その帰結は同じ・・・

問題を先送り、そしてまた先送り、
これ以上の先送りを許されないことが、
誰の目からみてもあきらかになったとき、
初めて対策の合意が形成される。

その時点ではすでに問題の深刻化は、相当程度進んで
おり、従って打ち出される対策もまた、大がかりなものに
ならざるをえない。

緊急的な対策に使用されるコストは膨大で、
もはや欧州だけでは負担できないでしょう、負担は世界に拡散し、
やがて数年後に起きるであろう、新たな金融危機へと
引き継がれてゆくに違いありません。

一方でこのような危機は、投資家に対して大きな
チャンスも提供してくれることになります。

問題が先送られるほど、そのあと訪れるショックは
より大きなもになり、必然的に対策の規模もまた、
大きなものなります。

つまり先送りが振幅の巨大化を招くといえるでしょう。

大きく売られたものは、その後大きく買われることになるわけで、
これは、先ほどの2度の金融ショック前後の株式相場や商品相場の
動きをみても明らかです。

欧州の問題は、まだ”先送り”が続くことになるでしょうが、
私たちはその先をそろそろ見ておくべきではないでしょうか。




では、今回はこのへんで。

(2011年9月20日)




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