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明るい世界に向かって

みなさんこんにちは。

先週は『先進国経済の成長鈍化と、新興国経済の高成長』に
よって、今後も世界的な金融不安は繰り返す、そしてその
不安定な状態への対処法は質的、地理的な資産分散しかない。

このようなお話しをさせて頂きました。

ではなぜ先進国経済の成長性は鈍化するのでしょうか、
たまたまここ数年このような現象が続いているだけなのでしょうか、
それともこれは宿命なのでしょうか。

今回はさらに一歩進め、このあたりについて少し考えて
みたいと思います。

私は先進国経済の成長鈍化は、先進国で起きる高齢化現象と、
密接な関係がある考えています。

例えば人は若いうちはモノやサービスを大量に消費しますが、
老いるに従って消費の量は減ってゆきますよね。

同様に生産という側面からみても、一般的に人は老いるに従って
活動が緩慢になります。

これは動物としての個体が持っているエネルギーが、
老化とともに減少してゆくからではないでしょうか。

いずれにしても一国の人口が高齢化することにより、
その国の経済活動は緩慢になり、やがて経済成長が鈍化してゆく
ことは間違いないでしょう。

経済的に豊かになった先進国では、医療の進歩に伴って平均寿命
は延びますが、これは言い換えれば人口構成の高齢化でもあるわけです。

一人一人の人生にとって平均寿命が延びるのは好ましい
ことではありますが、逆にこれがその国の成長鈍化につながって
いるといってよいでしょう。

もう一点高齢化と並んで、先進国の経済成長を鈍化させている要因は
少子化ではないでしょうか。

モノやサービスを大量に消費・生産する若年世代の減少は、
一国の経済活動にとって好ましい影響があるとは思えません。

一般に欧州や我が国の現状をみると、先進国では少子化減少が
顕著にみられますが、果たして「先進国化と少子化」の間に
なんらかの因果関係は存在するのでしょうか。

つまり「なぜ国が豊かになると出生率が低下するのか」
という疑問です。

そういえば我が国でも、私たちの親の世代は兄弟が沢山いて、
五人兄弟や六人兄弟などザラでしたね。

それが今では多くてもせいぜい三人まで、
わずか世代が一つ進むだけで、なぜ日本人はこれほど子供を
産まなくなってしまったのでしょうか。

女性の社会進出によって、
子供を育てる時間がなくなったからでしょうか。

あるいはむかしより教育にお金がかかるようになり、
経済的にたくさんの子供を産めなくなってしまったからでしょうか。

それとも晩婚化が進み、生物的に多産が難しくなったからでしょうか。

どれもこれも一理あるように思いますが、
私は本当の理由は別にあるような気がしています。

即ち先進国の少子化は、どこかで人口膨張を食い止めるため、
あらかじめ私たちのDNAに組み込まれたプログラムではないか・・・

ちょっと怖いですが、そんな空想です。

もし万が一そうなら、先進国経済の低成長化は歴史的な必然
ということになるはずです。

その結果、日本や欧州、米国などの経済は今後もしばらく
低成長時代が続き、そしていずれ新興国に追いつかれる。

これがもっともありうべき世界の将来ではないかと私は思います。

先進国に住む私たちにとって、一見これは憂鬱な未来のように
思えますが、よくよく考えてみますと決して悪いお話しでは
ありません。

新興国がキャッチアップしてくることにより、
世界は再び安定を取り戻し、新しい世界経済の秩序が生まれる・・

そしてその新し秩序のなかでは、リーマン・ショック、欧州や日本の
金融不安も過去のものになる・・

そんな明るい世界を期待してよいのではないでしょうか。

現在進行中の欧州問題は、その新しい秩序への過渡期に
起きた一現象で、いままさに先進国の住人である私たちの
智慧や努力が試されているのかもしれません。




では、今回はこのへんで。

(2011年11月22日)




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