債務を抑制するものは・・・

みなさんこんにちは。

欧州だけでなく、米国も日本も・・・

債務残高の急増は、もはや先進国共通の
問題になっているといってよいでしょう。

債務の絶対額が増えているというだけでなく、
GDPに占める比率も急上昇している点にも注意が
必要です。

GDPに占める債務比率の上昇は、
一体何を意味しているのでしょうか。

経済の規模が大きくなるに従って、債務の絶対額が
増えることは自然な現象といってよいでしょう。

これに対しGDPに占める債務の比率が急速に大きくなるという
ことは、つまり政府の支出が、経済成長を上回って急増する
ということです。

この現象を国民側から見るとどうでしょうか。

政府の支出は、国民が国から受け取る年金や医療保障など含め、
広い意味でのサービスの総量と考えることができます。

つまり簡単にいえば、国家の財政赤字がGDP比で増え続ける
ということは、国民が過剰なサービスの提供を、
国から受けて続けていることと同義です。

ではなぜこのような過剰なサービスを国は提供し、
平然と国民がそれを受け続ける仕組みができたのか。

このことと、先進国が例外なくとっている議会制民主主義という
制度のあいだには、密接な関係があると私は思います。

政党は議会で多数を得るために、常に大衆迎合的な
政策をとらざるをえず、それが国民に対する過剰なサービス
となり、対GDP比でみた公的債務は拡大し続ける・・・

一方で有権者も、国から得られるサービスの多寡で自らの
投票行動を決める・・・経済成長が止まったからといって、
国に要求するサービスの量に自制をかけるような
ことは決してない・・・

要するにGDPでみた財政赤字拡大は、政治家と国民の共同責任であり、
議会制民主主義が続く限り、この傾向に歯止めをかけることは
難しいのではないかと思うわけです。

唯一希望があるとすれば、それは国民の自制心と
政治家の自己犠牲への期待ではないでしょうか。

ともに私たちが忘れつつある日本人の美質では
ありますが・・・





では、今回はこのへんで。

(2011年12月6日)




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