テクニカル分析をどう評価するか?

2005年2月23日付けの日経金融新聞に興味深い記事が載っていました。
内容は、米国のスミスバーニーが株式のテクニカル分析部門を廃止したというものです。
同社がテクニカル分析部門を廃止した理由として「合理化の一環で、今後は経済や企業の分析に集中する。チャート分析に対する投資家の人気が離散している裏返しといえそうだ」と解説がされています。

私はテクニカルアナリストの資格を持っていますが、テクニカル分析の効果には懐疑的です。
テクニカル分析は過去のチャートの動きを分析し、将来の値動きを予測するものですが、その手法は実にたくさんあります。

例えば
(1)オシレーター系の分析手法。これは過去の値動きと比べ、買われすぎ、売られすぎを警告するものです、RSI、MACD、ストキャスティクスなどが代表選手です。

(2)フォーメーション系の分析手法。みなさんおなじみの支持線・抵抗線などチャートに現れる特殊な形状をみて今後の値動きを予測するものです。

(3)波動による分析手法。エリオットが提唱、相場は5つの上昇波と3つの下降波で構成されているという考えに基づき、今後の値動きを想定する手法。

(4)その他。一目均衡法などに代表される独自の分析手法。

私はテクニカル分析に対して唯一期待しているのは、その銘柄が買われすぎているのか、売られすぎているのかを知らせる機能です。逆にいうと、テクニカル分析にはそれ以上の能力はないと思っています。特に(4)などは一種の占いに近いですね。

そういう観点で、上記の4種類の分析手法のなかで私自身が”使い物”になると考えるのは(1)のオシレーター系指標だけです。
株式投資を行う場合これらの指標は、ファンダメンタルズ手法により既に選別を終えた銘柄に対し、最適な買い時を示してくれます。
上記のスミスバーニーの方針は、そういう意味で私にはよく理解できます。
短期投資に血道をあげる人にとって、このテクニカル分析は手放せないものかもしれませんが、過去のチャートのカタチをだけを見て将来を推測するという考え方には一種の胡散臭さを憶えてしまいます。

私自身は銘柄の選別まではファンダメンタルズを中心に分析を行い、買い場、売り場のタイミングを見つける際にオシレーター系のテクニカル手法で行うのがよいのではと考えています。

みなさんはどうお思いですか?

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