相続と不動産

みなさんこんにちは

今回は久々にFPらしいお話しを
させて頂きます。

ちょうど昨年のいまごろ、相続税の改正案が、
「平成23年度税制改正」に盛り込まれて国会に提出
されました。

幸い(といいますか・・)国会がねじれていることも
あり、相続税の基礎控除の引き下げ等は成立しません
でしたが、これで一件落着というわけにはゆきません。

今後の消費税引き上げや、社会保障と税の一体改革の
流れのなかで、近々相続税の改正は避けることができない
見通しです。

ここで現在検討されている相続税の改正案を
見ておきましょう。

◇相続税の基礎控除引き下げ

相続税には「基礎控除」という、ありがたい”お目こぼし”が
ありまして、そもそも遺産額がこの「基礎控除」の範囲で
あれば相続税は発生しません。

今回の改正案では以下のような改定が盛り込まれています。

・従来

5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

・改正案

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

例えば旦那さんが亡くなり3名のご遺族が残された場合、
基礎控除は8000万円から4800万円に下がってしまうわけです。

いままで我が国で相続税の発生割合は4%強程度でしたが、
今回の改正が実施されますと7%程度に上昇するといわれています。
施行されれば結構大きなインパクトがあると思います。

◇生命保険の非課税枠の適用厳格化

例えば旦那さんがご自分に生命保険をかけ、保険金の受取人
としてお子さんを指定した場合、以下の算式による非課税枠が
ありました。

・500万円×法定相続人の数

例えば奥さんとお子さん2人が遺された場合、
500万円×3=1500万円 を、受け取った保険金から控除して
相続税の計算をすることができたわけです。

今回の改正案では、上記計算式そのものは変わりませんが、
「法定相続人」は未成年者もしくは「生計を一にする者」
に限定されます。

簡単にいえば成人の場合、この規定を受けるためには
生前にお父さんと同居していなくてはならず、実質的にこの
非課税枠は極めて使いにくくなったといえるでしょう。

◇最高税率の引き上げ

従来相続税の最高税率は50%でしたが、今回の改正案では
55%に引き上げられています、特に富裕層にとって、ますます
相続制の支払い額は大きくなるでしょう。


さらにこれは既に平成22年度の改正で適用済みですが、
「小規模宅地等の課税価格の特例」も見直され、適用が
厳格になっています。

例えば従来2掛けで評価された自宅が、
まるまる相続財産に算入されてしまう・・
このようなケースが増えてくるわけです。

以上が今進行しつつある相続税改の案ですが、
お読みいただいたように、富裕層はますます負担が大きくなると
同時に、課税のすそ野も随分広がるとみておいて間違い
ないでしょう。

相続税の課税割合は4%程度でしたので、多くのかたにとって
相続税は縁のないお話しだったといえますが、これからは
実感を伴う税金になってくることでしょう。

ではこの相続税、少しでも少なくする方法は
ないのでしょうか・・・

一つの有効な方法は不動産、
特に収益不動産の活用は有効だと思います。

収益不動産、言い換えれば賃貸用不動産の
相続税評価は、以下の式で行われます。

◇土地部分(貸家建付地)

路線価×(1−借地権割合×借家権割合)

◇建物部分(貸家)

固定資産税評価額×0.7

ここでは細かいお話しは省かせて頂きますが、
例えば都心のワンルーム・マンションなどでは、
概ね40%程度に評価を圧縮することができますので、
相続税の節税効果は高いといえるでしょう。

加えて収益不動産は、株や債券などペーパーマネーと
違って現物資産です、ポートフォリオにおける分散効果も
高いといえるでしょう。

さらに賃貸料というインカムゲインの計画も立てやすく、
長期に及ぶライフプラン設計にも有効です。

先ほどの相続税の圧縮効果とあわせ、
今後ますます有効な資産といえるのではないでしょうか。



では、今回はこのへんで。

(2012年2月2日)




このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop