■ロシアという国
みなさんこんにちは。
ロシア人は好きだが、
ソ連という国は嫌い。
まだ若かったころ、
私はよくこの言葉を耳にしました。
ソ連という国は既にありませんが、
ソ連をロシアに置き換えてみても、いまだこの言葉に
さほどの違和感はないのではないでしょうか。
日本人のみならず、多くの人々がロシアに対して抱いている
このイメージは、この国の成立過程による部分が大きいのでは
ないでしょうか。
ロシアの系譜は9世紀まで遡ることが出来るそうですが、
現在のロシアという国の性格を決めたのは、その草創期ではなく、
むしろ13世紀以降のモンゴルによる支配期ではなかった
でしょうか。
250年間にもおよぶ長い支配と搾取を受けた結果、
少数のモンゴル人によって多くのロシア人を支配するため、
不自然な統治スタイルが定着してしまったのかも
しれません。
あるいは多少の混血もあったでしょう。
かくしてモンゴル的、あるいは東洋的な体質が、
極端な形でロシアに受けつがれ、そして今に至っている、
これが冒頭のイメージにつながっているのかもしれません。
現在のロシアという国をみても、ヨーロッパ的な洗練とは程遠く、
多分に後進性を残しているように感じます。
例えば2008年の原油高騰期、原油価格は120ドルを超え、
同国の経済は大いにうるおいました。
当時何千万円もする携帯電話や、億円単位のクルーザーが、
富裕層向けの展示会で飛ぶように売れたという報道を見た記憶が
あります。が、一方で例えば将来の原油枯渇を見据え、計画的な
資源開発が行われたという類の報道は聞いたことがありません。
つまり原油相場が高い時はいいけど、よってたかってまたたくまに
消費しつくしそのあとには何も残らない、ロシアという国は、
つまりこれの繰り返しではないかと思うわけです。
日本人も随分バブルに踊りましたので、いまさら人様のことを
とやかく言えた義理ではありませんが、日本は自ら汗水たらして
稼いだお金に酔ったという点で、地下資源だのみのロシアより、
多少ましと言えるかもしれません。
仮に原油価格高騰によって増えた税収で、例えばシベリア
あたりを計画的に開発していたとしたらどうでしょうか。
多少なりとも原油相場に左右されにくい経済を、
構築できたのではないでしょうか。
私はロシア人の知り合いはいませんが、ときどき
報道などで目にするロシアの庶民には好感をもっています。
が、こと経済という観点でみますと、少なくとも私自身のお金や
私のお客さんのお金を、この国の株式市場に投じようという
気持ちにはなれません。
では、今回はこのへんで。
(2012年3月15日)
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