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世界は金価格の上昇を止められるか

みなさんこんにちは。

『〜金独歩高、投資マネー流入〜金の国際価が1年ぶりに
史上最高値を更新した。同じ国際商品の原油や穀物価格が
伸び悩むなかで金の上昇ぶりが目立つ・・・・(以下略)』

これは今からちょうど3年前、2009年9月17日付の日本経済新聞
記事の見出しです。

ご参考までに当時の金価格はといいますと、1オンス=1000ドル
前後でした。2009年といえば日米欧の中銀による同時量的緩和
が行われた年です。

あれから3年たちましたが、ご存知のように世界は
未だ金融緩和モードから抜け出すことが出来ていません。

日米欧はこの間3年というものマネーを刷り続け、
その結果金(Gold)の価格は、1.8倍近くまで上昇しているわけです。

さて金の価格は一体いつまで上昇し続けるのでしょうか。
またいくらまで上昇し続けるのでしょうか・・・


今回はそのあたりについて、少し考えてみたいと思います。


まず現在の金価格の上昇が、先進国のマネーに対する信頼喪失
の裏返しであれば、上記に対する答えは「先進国通貨の増刷が止まり、
その信頼感を取り返すまで」ということになるといってよいでしょう。

ではいつになれば先進国通貨の増殖は止まり、
その信頼感が回復するのか・・・

その答えのヒントは、この3年間の世界の景気、なかでも
米国景気の流れのなかにあるような気がいたします。

米国の景気の谷は上記の記事が掲載された直前、
すなわち2009年6月です。

逆にいえば米国経済(やあるいは世界経済)は、それ以降現在に
至るまでずっと回復し続けてきたわけです。

つまり世界の先進国は2009年6月に始まる景気回復期、
延々と量的緩和を続けてきたともいえるでしょう。

本来なら金融に対して引き締め策をとるべき景気回復期に、
日米欧はそろって金融緩和を続けざるを得なかった・・・

今回の景気回復の勢いは、
そこまで弱々しいものだったということでしょう。

私はここに今後の金相場を読むヒントが
隠されているような気がしています。

景気の回復期にすら量的緩和を続けざるを得なかった世界が、
はたして今後マネーの増刷をとめることができるか。

先進国経済の不健全あるいは不完全な回復は、
もはや常態化しており、先進国によるマネー大量放出は、
構造的にとめられなくなってしまっているのではないか・・・

であれば「先進国通貨の増刷が止まり、その信頼感を取り返す」
時期というのは、ますます読みづらくなってくるのではないか、
私はこのように思います。

私たちはそのような可能性とともに、もしこの推測が正しかった場合の金
(あるいは金を含むあらゆる現物資産)の相場動向、さらには
そのような想定に基づく運用プランなど・・少し意識しておいたほうが
よいのかもしれません。



では、今回はこのへんで。

(2012年9月25日)



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