■損失限定の金投資
みなさんこんにちは。
今回は金貨に関する小ネタを一つお届けします。
今の金価格は1オンス=1730ドルほどです。
この相場が高いのか・・それとも安いのか・・
この点に関しては過去何度かこのメルマガでお話しして
きましたので今回は割愛させていただきますが、なかには
「ここまで上昇してきたので、今後大崩れするかもしれない」
このような一抹の不安を持ちつつ、
一方で長期的に1オンス=2500ドル、3000ドルといった
高値をつける可能性も十分あり魅力は感じる・・・
このようにお感じの方も多いのではないでしょうか。
そんな方にとって、日本の記念金貨は一考に値すると思います。
例えば平成2年に発行された「天皇陛下御即位10万円金貨」です。
この金貨の重量は30グラム、品位は金100%です。
(以下は財務省のサイトです)
http://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/list.htm
現在の金の価値に基づいて計算するなら、この金貨の
(金としての)価値は約13万7000円(注)となりますし、
ネットのオークションなどでは実際13万円強で売買されて
おります。
注)2012年11月13日時点の税込買取価格(1グラム=4,589円)
をもとに計算。4,589円×30グラム=137,670円
額面10万円の金貨に13万円以上の価値がある・・・
なんとなく不思議な感じもしますよね。
しかもよく考えてみればちょっとヘンですよ。
たとえば今後金の価格が下がり、仮に1グラム=2000円に
なったとしましょうか。
この場合のこの金貨の(金としての)価値は6万円(注)
に下がってしまいます。
注)2000円×30グラム=60,000円
一方でこの10万円金貨を、その時点で銀行の窓口に出向いて
両替してもらうとどうでしょうか。
その場合、もちろん福沢諭吉さん10枚と交換して
もらうことができます。
つまりこの金貨は、いくら金の相場が下がっても
10万円以下にはならないわけです。もちろん金の価格が
上昇すれば、連動してこの金貨の売買価格も上昇します。
きっとこの金貨の発行当時、金価格は安く、数年後この10万円金貨が
市場で10万円以上で売買されるというようなことを、想定して
いなかったのでしょうね。
この金貨の場合、金の価格が1グラム=3,300円(注)を
割るようなことがあっても、それ以下の価格にはならない、
いわば損失が限定された金貨ということができます。
注)100,000円÷30グラム≒3,333円
言い換えれば、無期限に10万円のプット・オプションが付いた
金貨といってもよいでしょう。
ちなみにこのように額面価格が高く、上記10万円金貨のように
下値下限がある金貨として、ほかに
「皇太子御成婚記念50,000円金貨」
があります。
ただしそれ以降は造幣局もこのような歪みに気付いたようで、
以降発行される金貨は、すべて額面が1万円と低めに
設定されています。
このような金貨は大量の購入が難しく、本格的な投資には
むいているとは言えませんが、まあ個人が趣味をかねて集めるには、
楽しみもあってよいのではないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
(2012年11月13日)
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