ホーム > T's資産運用コラム > 来年の金相場について
来年の金相場について

みなさんこんにちは。

早いもので今年も師走ですね・・・


新年第一号「今年のポートフォリオを考える」まで一か月近く
ありますが、僕はそろそろ来年の相場をイメージしています。

今回はその予告編ということで、
来年の金相場について少しお話ししようと思います。

金の値動きについて考える場合、
金という金属がもつ特殊性ついて、
理解しておく必要があると思います。

世界中で金だけが持っている機能・・・

それは通貨としての機能なのですが、
それを理解しただけではまだまだ不十分で、
「絶対的な価値の基準を持つ」通貨機能と
理解しておくべきだと思います。

つまり紙幣や硬貨などとは違い、
むやみやたらと生産できないという点で、
貨幣とは明らかな違いがある・・・この点を
押さえておくべきではないでしょうか。

確かに通貨機能を持ってはいるが、
決してそれだけではない、紙幣のような相対的な
通貨ではなく、絶対的な価値をもった通貨と
いってよいでしょう。

紙幣はすればするほど、一枚あたりの価値は薄まり、
その反対側にある金の価格は上昇するということに
なるわけです。

そのような点で来年の世界経済をみると
どうでしょうか。

まずマネーの世界三大供給源のうち、最大の米国は
どうでしょうか。

私は来年の米国経済は決して悪くはないと思っています。
今年春先に不動産市況が底入れし、
現在に至るまで徐々に回復の足取りを強めています。

不動産価格の上昇は、不動産を所有する世帯に
とっては資産の増加であり、彼らの消費にプラスに作用
することになります。

GDPの約7割を個人消費が占める米国経済にとって
これは朗報で、

消費の拡大⇒企業業績の拡大⇒雇用の拡大⇒消費拡大

という循環で、緩やかな回復を続ける可能性が
高いのではないでしょうか。

今年9月にFRBは量的緩和策(QE)を導入しましたが、
その目的の一つは雇用の改善です。

逆に言えば雇用に改善傾向が見られた場合、QEは先が
みえてくることになります。

今のところ雇用の改善を何を以て判断するかという点に
ついて示されていませんが、一般的には

・月間の新規雇用者数が安定的に15万人〜20万人程度増える
・失業率が6.5%〜7%あたりを切ってくる

この2点が判断の基準ではないでしょうか。

ご参考までに直近11月度の統計によれば

・新規雇用者数⇒14.6万人
・失業率⇒7.7%

と改善傾向にあります。

この数字をみてFRBが直ちにQEを停止するとは
考えられえませんが、少なくとも2014年初頭には
QE停止が視野に入ってきても不思議ではないと思います。

ただし仮にQEの停止が2014年初頭だとしても、
市場は数か月先にそれを織り込み始めるかもしれません。

その場合来年の金相場のピークは年央あたりまで・・・

一方で目先をみるとどうでしょうか、
米国では連日で「財政の崖」問題が議論されていますね。

「財政の崖」から落ちると考えている人は、
必ずしも主流ではないようですが、それでもさまざまな市場で、
相場の圧迫要因になっていることは間違いないでしょう。

つまり現在の金価格1オンス≒1700ドルには、
「財政の崖」リスクが多かれ少なかれ織り込まれている
といってよいでしょう。

逆に申し上げればこの懸念が解消・・もしくは
崖ではなく「坂」程度で妥協できれば、金の価格にとって
プラスに作用するとみてよいはずです。

であれば金の売り時の一つは、その「財政の崖」問題が
解消し、市場がQE停止を織り込み始めるまでの数ヶ月の
あいだ、ということになるのではないかと思います。

上記はあくまで短期の投資家さんへのアドバイスで、
超長期で金(Gold)をお持ちになろうとお考えの方には、
決して当てはまりません。

今回の危機を乗り越えても、その先は山あり谷あり・・・

マネー供給の大御所三極は、いずれまたマネー供給の
必要に迫られる時がくると思いますので・・・




では、今回はこのへんで。

(2012年12月11日)



このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop