■ウォン安、人民元安によって世界は恩恵を受けたか
みなさんこんにちは。
最近こんなことをよく考えます・・・
2008年のリーマン・ショック以降続いた韓国のウォン安に
よって、世界は恩恵を受けたか・・・
あるいは2005年以降も実質的に米ドルにペッグする
人民元相場によって、世界は恩恵を受けたか・・・
確かに韓国の場合、サムスンが販売するスマホは
世界中で愛用され、多くの人たちに便益を与え続けている
といってよいでしょう。
また米国では現代自動車の車が多くのアメリカ人に愛用され、
一定の満足感を与えているといえるでしょう。
あるいはLGやサムスンが製造する液晶テレビは、
特に新興国で愛用者が爆発的に増え、既にかれらの生活にとって
無くてはならないものになっているようです。
最近では中国メーカーが作る冷蔵庫や洗濯機など
の家電も、米国やアジアなどで愛用者が増えていると
聞きます。
このような世界の現状をみますと、確かにウォン安や
人民元安は、世界にとって一定の貢献はしていると
いってよいでしょう。
が、よく考えてみれば、両国以外のどこか・・
例えば日本や米国などで通貨安が起きていたとしても、
今の韓国や中国のポジションが日本や米国などに入れ替わるだけ、
そして世界全体でみれば誰も困りはしない・・・
つまり為替水準の正常化によって両国の企業が衰退したとしても、
両国以外で困る人が出てくるとは私には思えないのです。
これに対し、もし円高によって日本のメーカーが衰退して
しまえばどうでしょうか、あるいは米国のメーカーや
IT産業が衰退してしまえばどうでしょうか。
この問いについては、以下のように考えることで、
ある程度答えを得ることができると思います。
例えば一昔前にソニーが世に送り出したハンディカム、
VTR、MDやCDがもし世の中になかったら、
世界はどのような今を送っていただろう・・・
同様に任天堂がなければどうだったろう・・・
シャープがなければ・・・
アップルがなければ・・・
グーグルが・・・
このような想像をすることによって、我が国の製造業や、
米国のIT産業の貢献度を測ることができるのではないかと
私は思います。
一方で再び韓国や中国です。
ここ数年の通貨安によって、確かに両国産業の存在感は
飛躍的に高まり、多くの有力な企業が生まれました。
が、彼らが世界の人たちの生活スタイルを一変させる、
革新的な製品を世に送り出したということを、
私は聞いたことがありません。
果たして彼らの成長は、世界経済にとって
真の意味で有益だったのでしょうか・・・
その間の歪んだ通貨の交換レートがなければ、
両国以外で創造性豊かな企業が成長し、結果的に
世界はもっと豊かな今を送れていたかもしれない。
両国には少し酷ではありますが、
想像のなかでは、このような仮定も許されて
よいのではないでしょうか。
では、今回はこのへんで。
(2013年2月12日)
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