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期待に働きかけるとは・・・

みなさんこんにちは。

期待に働きかける政策とは、
一体何なんだろう・・・

ここのところよくこのことについて考えます。

新しいところでは、例えば米国のFRBがとってきた
金融緩和策。

もちろん実際に市場に供給したマネーの量も、
危機を回避するに十分なボリュームを持ってはいましたが、
それよりもむしろ市場に対し「FRBはいつでも必要な政策を
実行する」という安心感を与えた事のほうが、大きかった
のではないでしょうか。

あるいは欧州のECBがとった一連の緩和策。

まず一昨年末に実施した1兆円にのぼる金融機関への資金供給。
さらには昨年央に発表した、無制限の国債購入策。

それぞれ大きな効果がありましたが、特に後者に至っては
実際に宣言しただけで(実弾を一発も打たず)高い効果を
挙げました。

まさに期待に働きかける政策の成功例では
なかったでしょうか。

これに対して同時期に民主党と日銀がとった政策を
振り返りますと、まったく空恐ろしくすらなります。

円高に苦しむ産業界が悲鳴を上げても政府は無関心、
関心ごとといえばもっぱら内輪の政争と、いつもながらの
富の分配論議ばかり・・・

たまに思い出したように行う為替介入も、あまりに稚拙なうえ、
持続性もなく、どのような展望のもとに介入を行って
いるのかすら、市場は理解できなかったのではないでしょうか。

同様に同時期の日銀の政策も、「市場の期待に働きかける」
という姿勢からほど遠く、確かに生真面目に実直に流動性は積み上げては
きましたが、市場との対話能力という点で大きな問題が
あったように思います。

「効くかどうかわかりません・・・いやむしろ効くとは
思えませんが、まあ欧米がやるのでやってみました・・」

このようなことでは、どのような政策を打ったところで
市場は期待しないでしょう。

いやもしかしたらその効果に一番期待していなかったのは、
日銀自身だったかもしれません。

同じことをする場合でも、誰がやるか、あるいはどのように
やるかによって、その効果が全く異なるという典型例をみた思いです。

ではいったい「市場の期待に働きかける」とは、
どのようなことなのでしょうか・・・

市場ということばは漠然としていますが、要するにこの場合、
私たち一人ひとりの心の集合体が市場ではないでしょうか。

つまり「市場の期待に働きかける」とは、私たち国民
一人一人の心理に働きかけるということだと思いますし、
そのためには国民との信頼関係が大切ではないかと私は思います。

昨年末以来の安倍さんの「市場の期待に働きかける」政策の
効果は、わたしたち国民すべてが目の当たりにした通りですが、
その効果をより確実なものにするために、次の日銀総裁の
人選は極めて重要ではないかと思います。

市場に期待を抱かせる実行力と対話力、
そしてなによりも強い意志をもってデフレ収束に取り組む覚悟、
加えて国民から信頼を得られる人格、

このような能力と意志、人格を兼ね備えた人が
次期日銀総裁にふさわしいと思いますし、今候補にあがって
いるひとたちのなかに、そのような人がいると私は思います。

いずれにしても日銀次期総裁の選択は、
今後の日本経済にとって大きなターニング・ポイントに
なる可能性が高いと私は思います。




では、今回はこのへんで。

(2013年2月19日)



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