■REITにするか、現物不動産にするか
みなさんこんにちは。
ここのところ、いろんな意味で不動産が注目されつつ
ありますね、また地価やマンションの相場上昇を示す
データも目立ち始めました。
既にいくつかのルートで、目ざといお金が
日本の不動産市場に流れ込み始めているようです。
ここでまずそのルートを整理しておきたいと思います。
一つ目のルートは、金融緩和の強化を先どった
お金の流入です。
日銀が今後金融緩和を強化するなら、そのマネーは
いずれ不動産にも流れ込むと考える投資家は多いはず。
金融緩和の強化はまだ実施されていませんが、新総裁への
期待感から、市場は先取りして動いているのでしょう。
二つ目のルートは、市場に芽生え始めたインフレ期待
によるマネーの流入です。
2%のインフレ目標の導入によって、いずれ土地や建物の価格
が上昇する。上がる前に買っておこう考える人も
いるはずです。
三つ目のルートは、実需を期待したお金の流入です。
円高の修正によって、我が国の産業もようやく競争力が
回復する、従って国内経済も活性化し、オフィス需要や
居住用不動産に対するニーズも高まるだろう・・・
このような期待感が少しずつ相場を動かしていると
思います。
四つ目のルートは、アジアを中心とした外国勢による、
現物不動産投資マネーの流入です。
昨年末以降進んだ円高修正により、外国人から見た
日本の不動産相場は既に20%ほど安くなっています。
特に香港や上海、シンガポールなどアジア主要都市と
比べた東京の不動産相場には割安感があり、
最近はアジアから都心のマンションに向かって、
マネーが流れ込んでいるようです。
このようにいくつかのルートから流れ込むお金に
よって、不動産株、現物の不動産、REITなど、
さまざまな不動産関連資産が上昇し始めました。
なかでも上昇顕著なのが、不動産関連株とREITでは
ないでしょうか。
REITに関して申し上げますと、既に分配金利回りの
平均は3.5%程度に下がっていますし、またNAV倍率(注)
からみた割高感も漂いはじめました。
注)NAV倍率:REITの時価総額をREITが保有している不動産の
評価額で割った値。例えばNAV倍率が1.3なら、本来1の
価値がある不動産に1.3の値段をつけて投資家たちが市場で
売買していることになります。現在のNAV倍率は既に1.3
を超えており、このあたりに達すると警戒感が高まる傾向
にあります。
REITは現物不動産と違って流動性が高く、
確かにその点は長所なのですが、裏を返せば短期の
お金が入りやすく、また出やすい・・・つまり不動産相場
の上昇や下落に過剰反応を示す傾向があるわけです。
いまの時点で申し上げるなら、REITの相場はまだ上昇する可能性
が高いと私は思いますが、今後皆さんが勝負に勝って儲かれば
もうかるほど、反転下落によって被害を受ける可能性もまた高まる・・・
常にそのような宿命を負った投資ではないかと思います。
いまの時点でREITを買うべきか、売るべきかと
問われますと、私は
「お一人お一人がお持ちのお金の性格とライフプラン次第」
このようにお答えするしかありません。
が、それではあまりに漠然としていて面白くないと
言われるならば、
「分配金利回りからREITを買う時期は終わった、従って
これからのREIT購入は明確なキャピタルゲイン狙い、
短期から中期程度の出口を意識して投資してください」
という答え方もアリだと思います。
では、今回はこのへんで。
(2013年3月12日)
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