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米国QEの出口とその先

みなさんこんにちは。

2009年以来世界にマネーを供給し続けてきた米国。

その米国はめでたくQE停止を迎えられるのでしょうか。
それとも別のシナリオが待っているのでしょうか。

今回はそのあたりについて少し考えてみたいと
思います。

リーマン・ショック以前のFRBの資産規模は約1兆ドル、
これに対して現在の規模は約3兆ドルです。

日本円にして約200兆円・・・

このお金は株式市場や商品相場、債券市場などに
いったいどのような影響を与えてきたのでしょうか。

例えば米国株の時価総額をみますと、およそ20兆ドルほど、
金の時価総額は8兆ドル、米国債の発行残高は約16兆ドル・・・

このような数字をみますと、2兆ドルという金額は、
さほど大きくはないような気も致しますが、
すでに均衡している市場において投入される2兆ドルの
インパクトは、やはり相当強烈ではなかったでしょうか。

市場に投入されるマネーが一次的な効果だとすれば、
その市場でひと稼ぎした投資家が、さらにレバレッジを
効かせるなど積極化し、そのお金はほかの市場に
二次的な波及をみせる。

マネーが流入するから相場は膨張し、膨張したマネーは、
そのマネーの保有者の意志のもと、さらに
隣接する市場を次々に侵食する。

かくしてFRBが最初に市場に投入した2兆円は、
市場参加者の欲望というエネルギーをエサに、
増殖を続ける・・・

人間の欲望が市場に影響を与え、
今度は逆に市場が人間の欲望を刺激する、
このように連鎖的に物事が動く場合、
その連鎖を途中で止めることは難しく、
行き着く先はいつものようにバブルとその崩壊。

「バブルの崩壊を防ぐためには、あらたなバブルを
作るしかない」

これは先代のFRB議長の言葉だったと記憶していますが、
的を射た言葉ではないかと思います。

いよいよ出口の模索を始めたFRB。

果たしてバブルに至る前に、FRBは出口をみつけることが
できるのか・・・それとも「新しいバブル」として、
我が国の異次元緩和の利用を念頭に置いているのか・・

いずれにしてもFRB同様、日銀もこの欲望連鎖の
出口を模索することを迫られるわけですが、
果たしてそれは成功するのでしょうか。

そろそろこのような悪いシナリオも、
頭の片隅に置くべき時期に来ているように思います。

 

では、今回はこのへんで。

(2013年5月28日)

 




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